イネ科の外来種がさまざまにはびこる中でこのカンガルーグラスは在来種であり、カンガルーグラスが存在することは健全な森である簡単な指標(走行中の車内からだって分かる)になっている。牛などの家畜が放たれるようになると次第に消えていき、やがて欲を出した牧場主が過放牧へ進んでいくとカンガルーグラスは消滅する。ケアンズのあたりでは人里付近には基本的にもう見かけない草であり、アサートン高原西部など硬葉樹林の下草として存在する。
この日はケアンズの二人の若い日本人ナチュラリストを誘ってフィールドに出た。こんな地味な物でも「へー」と反応があるのは偉い。この日はオジロオーブヒタキが出まくったのがハイライトだったかな。
学名 |
: Themeda triandra |
英名 |
: Kangaroo Grass |
私がオーストラリアに来た当時は、野鳥を初めとしてケアンズの自然のことを教えてくれる日本人も、日本語のネット情報もまだなかった。というかまだ公衆電話とエアメールの時代だった。今から来る人たちはそういう点においては恵まれている。