通常ツアー開始の早い段階でいくつか大きく日本とは違って気をつけることをご案内します。たとえばオーストラリアではプライバシー意識が強く、私有地の外でも一定時間以上そこにいることやカメラや双眼鏡が人間の方を向くと怒られること、ハザードを炊いていても変なところに停車しているとブチ切れられるので駐停車が難しいこと、日本なら時速30-40kmで車が走っているところを100kmかそれ以上で車が突っ込んでくるので、歩行者は白線の内側を歩く程度ではブチ切れられるので1m以上、できれば2m以上避けることなどです。
先日そんな話をしていたにも関わらず真逆な行動をしたかたがいて本当にひやっとしました。下手したら死亡事故になっていたかもしれないことです。咎めると「え?注意? いやあ、私は耳元で喋ってもらわないと何言ってるか聞こえないから(笑)」という驚きの反応が返ってきました。
冷たくて申し訳ないようですが、耳元で喋ってもらわないと何言ってるか聞こえないかたは安全上大きなリスクがあり、AAK Nature Watchのツアーへのご参加要件を満たしていません。通常の声量での諸注意が理解できること、平均的な体力を有し、4WD車への乗り降りも大きな不自由なくできること、ご自身のお荷物はご自身で取り回しができることが最小ご参加要件になります。背景にはオーストラリア特有の事情もあります。
1. オーストラリアでは他社を含め圧倒的多数のケースでネイチャーガイドはドライバーを兼任しています。運転しながらご案内しています。アジア圏などのように分業ではなく、目や耳、手が完全には届きません。
2. オーストラリアでは一般道路の最高速度が時速110km(クィーンズランド州の場合。北部準州は130km)であり日本のように時速30kmで走ってくるわけではなく遠くに見えた車が一瞬で真横に迫り、飛び石や風を伴って横を通過します。日本の気分で車道際にいると死亡事故に直結します。
3. オーストラリア国土の9割近くで携帯が圏外であり、医療機関などもはるか彼方です。しかも健康保険は効かず英語ですよ。
4. オーストラリアの宿には5スター以上のホテル(通常バードウオッチングツアーでは使いません)でなければポーターはいません。専任の運転手もいないわけで、ご自身のお荷物はご自身で積み下ろしができる必要があります。
ご理解とご協力をお願いします。
ツアー経験者です。上記特有事情2.を身をもって体験しました。幹線道路(もちろん未舗装)から距離をとった位置で探鳥して、ガイド車に戻ろうとしたときに、爆走する大型車の飛び石によってリアウインドウが一瞬で破壊されました。
生身だったら怪我では済まない、そういった戦場の面も持ち合わせいることを理解できました。
あの時は前日にフロントガラスも六ヶ所割られましたからね。
オーストラリアで道路の近くに立たなければ行けないときは東名高速に立っているのと同じか、もっと危ない事を認識しないといけません。