マランダにはアメリカの某大学生団体の野外学習センターが古くからあり、フィールド調査、動物調査に関心がある学生がほぼ常時何十人も滞在しながらさまざまな調査活動や研修を行なっている。このアメリカの某大学生団体の拠点はコスタリカやカンボジア、ケニア(奇しくもいずれも私が添乗員として野鳥ツアーで出かけた国)など世界の生態系ホットスポットにあるけど、オーストラリアはマランダにある。マランダとはやはりそういう別格の土地なんだよ。この学生達は私がボランティアをしている植林団体にも姿を見せるのでよく知っているけど、週末に研究発表会をアサートンのホールでするというので出かけてきた。
想像よりも大規模な場で、市長を含め知人にも数人出会う。野鳥の世界ってほぼシニア層に限られるけど、爬虫類だとかコケだとか、その他のネイチャー分野ではいつも若手が混じっていて驚かされる。私の前に座っているこの女子大生10人組なんて野鳥の世界では絶対に見られない光景だ。野鳥の世界では50歳60歳でも『若手』とか言われる。
そんな女子が泥にまみれて海外の辺境の山林でフンコウロガシを集めているのは素晴らしい図だな。
しかもこんな密林の奥の8人部屋で集団生活を何ヶ月も?いくら在籍する本国の大学における単位に書き換えれるとは言っても多くが有償で来ているらしいし、これはちょっとやそっとの決意ではこられないな。来てからも精神の維持が大変そう。どうりでこの野外学習センターには24時間365日常勤のメンタルカウンセラーが複数いるわけだ。
なお私がこの研究発表会に出て行ったのは商談もあったためで、センター代表やマネージャーとも有意義な話ができた。オーストラリアの人は仕事でもあまりメールとか返さないので会って一気に話を進めないとダメ。向上心と仕事能力があれば英語圏の商圏は日本語圏の100倍。大半の在豪日本人が日本への一時帰国を人生最大の喜びとしている間に、AAK Nature Watchはオーストラリアでさらに大きくなる。