オーストラリアで野生のセキセイインコやオカメインコを見るなら、手軽なのはケアンズ発1泊2日ジョージタウンツアーへの参加(理想はケアンズ発2泊3日マウントアイザツアー)です。問題はジョージタウンでは年によってセキセイやオカメがいたりいなかったりする点です。どちらかといえばいない方が普通です。それはいつわかるのか?というと毎年私が5月頃に泊りがけで偵察に行き、その時にある程度の数で見つかれば過去十数年の傾向からその年は10月ごろまでは概ねインコ達は滞在すると予測できます。
ジョージタウン方面1泊2日バードウォッチング
そんな2022年版の偵察の報告をまずは文字だけで先にアップします。後日、写真付きの記事に置き換えられるでしょう。
【背景】例年であればゴールデンウィークごろ、早ければ4月末に行っている恒例のジョージタウン偵察が5月下旬に遅れたのは悪天候のためです。自宅兼ジョンストンベンドがあるマランダではこれまでの5月の月間総雨量記録をわずか三日で置き換えるような狂ったような雨に4週間以上見舞われ、ジョージタウンなどクィーンズランド州はどこもひどい天候でした。アボリジニの意見では『5000年に1度の天候』だそうです。ということで半月以上延期して、ある程度大地が乾いてからの遠征になりました。
【環境】ジョージタウン周辺は青々としており、普段干上がっている川も多くが水を湛えてしました。普段大地がむき出しになっている牧場も下草が覆っており、経験上それらはインコが集結するには非常に良くない状況と言えます。
【偵察時間】出発間際まで忙しく、到着も2時間近く遅れたため3ー4カ所ある重要なポイントのうち1カ所しかできませんでした。約10日後に残りの2カ所をチェックし主要なところは偵察完了しました。
【結果】キンカチョウ、キンセイチョウ、キバシキンセイチョウ、カコノスズメ、ムナジロシマコキンというフィンチ勢の存在を確認。特にキバシキンセイチョウはこれまでで一番多く見かけました。インコ系ではゴシキセイガイ、ホオアオサメクサインコ、ハゴロモインコ、モモイロインコ、アカオクロオウムといった留鳥たちに加えてオカメインコも確認。セキセイはいませんでした。その他野鳥ではウスユキバト、コシアカショウビン、アカマユホウセキドリ、カオグロモリツバメといった重要な野鳥たちも存在。水鳥は少なかったです。ある水場では動物に襲われたと思われるモモイロインコの羽がまとまって複数箇所で落ちていました。ハヤブサなどであればそれはもう仕方ないのですが、野良猫や野犬の仕業であればなんとかして欲しいところです。オーストラリアはもともとそうした肉食哺乳類がいない土地なので被害が大きくなります。
【まとめ】一番注目されるセキセイインコが見当たらなかったことは残念ですが、ただそれ以外の野鳥は数は平凡ですがほぼ全員揃っています。セキセイインコ「だけ」がいない状態とも言い換えられます。5月の月間総雨量記録をわずか3日で置き換えるような呆れた天候が続いたせいで、感覚的にはジョージタウンでは雨季が明けきっていない印象を受けました。ということはもう少し乾季が進んでいけば野鳥は更に増え、今年後半ならセキセイインコが飛来してもおかしくなさそうでした。
【補足】
2年続いたコロナ禍が終わりつつある時に今度は歴史的なガソリン高騰に見舞われ、キャンピングカー族を中心とする来訪者がどこも少なく僻地経済は苦戦しています。もともと非常に少なかった店舗は更に減っており食事や補給に普段以上に注意を払わないといけないレベルになっています。
野生のキンカチョウ。