この古い双眼鏡はどちらもドイツのシュテイナーのSkyhawkシリーズのもので、左は小型の8×32、右のだいぶ痛んでいるのは8×42。8×42は私がオーストラリアに来て初期に買った思い出の双眼鏡であり、ガイドとなっても駆け出しの何年かは使っていた。その後スワロフスキー双眼鏡を買ってからは主にレンタル用、そしてスワロフスキーが定期的に壊れるのでその度に1−2ヶ月の修理期間をSkyhawk8x42が埋めてきた。
しかし20年が経とうとする中でご覧の通り流石に厳しいコンディションとなり、また最近ツァイスビクトリー双眼鏡を買ってスワロフスキーさえ予備に回ろうかという状況でシュテイナーの役目は終わったと思われた。誰かに譲るにしても流石にこのコンディションではまずいのでダメもとでシュテイナーに修理ができるか尋ねてみた。「オーストラリア代理店に聞いてくれ」と回され、そこがどうも営業していないようでさらに別の銃火器かなんかを主に扱っている代理店に回されるなどの展開で全く期待できそうになかったのだけど「この古いSkyhawk初代はもう部品がなくて直せないから、$242負担できるなら最新のSkyhawk 4.0を送る』と言われて飛びついた。ほんとですか?Skyhawk 4.0は定価なら$850するモデルであり、こんなボコボコの初代スカイホーク+$242で手に入るなんて!
カッコいいシュテイナーのダンボールで本当に送られてきた!
まさに未開封新品。
本当ならここで開封などせずに転売したらいいんじゃないと思う。だってツァイスがありスワロフスキーもあり(修理中)さらにSkyhawk8x32も控えている。しかし20年の間に4.0に進化したシュテイナーSkyhawk4.0 8×42がどのくらいの性能を持っているのか確認せずにはいられなかったよ。
ツァイスとともに二丁拳銃のようにしていざフィールドテスト!
構えた感じはツアィスの重さと変わりはない。フォーカスノブがスワロフスキーやツァイスのように中央ではなく手元側あるので指が一本空振りする感じだけどすぐに慣れると思う。肝心な画質はちょっと覗き比べたくらいではツァイスとからわず驚いた。確かに何度か交互に同じ被写体を覗き比べると、ツァイスの方が背景が歪まず0.25段くらい明るいかな?の違いはあるけど、そもそも写真じゃないんだから背景なんてどうなろうが実用には関係ない。スワロフスキーやツァイスが$3500ほどすることを考えると$850程度のシュテイナーSkyhawk4.0 8×42が必要以上の性能を持ってしまっている。
私は昔からこの目と双眼鏡との隙間を完全に塞ぎ雑光を遮断するほか手ブレも抑止してくれるシュテイナーのこのパーツの大ファンだ。耐久性に問題があり先代のSkyhawk 8×42ではとうの昔にちぎれてなくなってしまったが。「なんだか画像にキレがない」というのは双眼鏡でも写真でも微ブレからきていることも多い。
双眼鏡本体だけでなく、セミハードケース、手帳・ボールペン、ネームタグ、スタビーホルダー、キーホルダー、ブレスレットなどが同封されて至れり尽くせり。$100のサービスを惜しんで失望させ、結果将来の$5000の商機を失うようなビジネスがオーストラリアには多い中で、今回シュテイナー(正確にはオーストラリアで代理店を務めるBretta)は素晴らしい仕事をした。
ツァイス ビクトリーSF 10×42 双眼鏡についてもう少し
スワロフスキーEL双眼鏡からツァイスVictory SF双眼鏡に乗り換える