2週間ほど前、隣国のニューギニアなどに生息するパプアマミムナジロバトがケアンズに現れ騒ぎになった。
ランクルの集団訴訟問題を受け、トヨタが無料でディーゼルフィルターを新型に交換してくれるという用事でちょうどケアンズにいた私はその作業が終わるのをまだかまだかと待っていたが、当初聞いていたよりも4時間も早く完了したのでパプアマミムナジロバトが滞在している個人宅のオーナーに了解を取り現地へ急行した。持ち時間は日没までの3時間。
ごく普通の住宅街を想像していた私はこの奥地っぷりにまず驚かされた。
急峻な山の裾野にある鬱蒼とした庭を持つ住宅に現れたこの鳥は、ロケーション的には十分野鳥っぽいけど、飼鳥として一定の人気がある種のため籠抜けかもしれないとの意見も強く、結論はオーストラリアにおける珍鳥の判定機関であるBARCの判断に委ねられた。とりあえずこの現場に駆けつけられなかった人は悔しいので「籠抜けだろ」という。その気持ちも分からんでもない。
1時間ほど滞在してなんとか証拠写真を残せたが、とてつもなく警戒心が強い個体であり、足輪もしておらず今のところ動物園などからの逃亡や迷子の報告もない。もしBARCが野鳥と認定すれば個人的にはオーストラリアで727種類目になる。このパプアマミムナジロバトは私が観察した翌日が終認日となっている。からくも、というやつだ。