
アイアンレンジでは日によっては大量のオヒロヨタカが陽が暮れると出現する。昔はこうした鳥を撮るのにフラッシュが必要でそれが赤目を招いてしまうのでさらに面倒な装備が必要だったのだけど、現代のカメラは車のヘッドライト+手のひらサイズライト程度の灯りでもこうして写ってしまうわけで、私の夜行性ギア鞄から大型のトーチが昨年消え、今年からついにフラッシュも消えた。世の中は凄まじく便利にコンパクトになっていく。私なんかは「2本目のレンズよりもフラッシュが先」と習ってきた世代だけどまさかフラッシュが要らなくなる日が来るとは…。

訪問者数の激増により、かつての一級品ポイントは一般人が入り乱れてどこもしょぼくなってしまった。そのためプロのガイドたちはより辺鄙なところへ、大したことなさそうに見えるポイントへと移動している。この河畔林もまだあと1−2年使えるだろうか?
日本では舗装道路しか走ったことのないドライバーたちがランドクルーザーについてなんやかんや説教を垂れるが、本来はこのようにして業務で使う車だ。僻地の旅先でこれだけ汚れるとどうしようもないのだけど、ツアーをしている以上最低限は掃除をしなければならないのが大変なところ。21:30時に帰って来てからの片付けや洗車で、翌朝は05:00起床とは毎日寝る時間もないとはこのことだ。

キバシショウビンなんかは人々に追いかけ回されすぎで、近年のアイアンレンジにおいてガイドなしで見つけるのはほぼ不可能といったレベルの野鳥になってきた。

見事な野生のゴールデンオーキッド(デンドロビウム・ディスカラー)。ケアンズなら明日には盗まれているだろう。

夜間に水辺でたくさん鳴いているAustralian Woodfrog。一瞬オオヒキガエルに見えることもある大型のカエルながら在来種。

アイアンレンジでダントツの人気を誇る爬虫類がこの美しいミドリニシキヘビだろう。野鳥ツアーでは別に毎晩森を歩き回るわけではないし基本的にライトを照らているところが違うので(野鳥は木の上、ミドリニシキヘビは地面)出会えればラッキーな動物。

かつては毎晩のように見られたブチクスクスだけど、アイアンレンジではもう毎晩のように人々が強いライトをもって探しているのでそうしたエリアからは見事にいなくなった。この写真ではよくわからないけど実はお腹の袋に子供が入っており、顔を出したり引っ込んだりしていた。

イエロースポテッドゴアナ(ヒャクメオオトカゲ)は名前の通り全身に斑点がある迫力のある黄色いオオトカゲだが

実は道路を横断していたりする。

キビタイヒスイインコは電流柵による巣の防衛が効いてきたのが一時期の絶滅寸前の危機を脱し、若干増えているよう。今年は湿地の周囲を30羽単位の群れが自然に活動する様子が連日見られ、急減した2018年頃以降で最も美しい眺めだった。

これがその環境。研究者たちが足輪を識別・撮影するために設置された檻のような餌台で至近距離で撮影する方法が主流ながら個人的には痛々しいもので、遠くても自然の環境を自由に飛んでいるキビタイヒスイインコの方がはるかに美しいと私は考える。
(動画編に続く)