太田祐 おおた・ゆう Yu Otaオーストラリア永住の野鳥ガイド・野鳥研究家。オーストラリアの野鳥観察に関し日本における草分け的存在で、20年以上現地から続けているブログのほかTV番組や書籍、各SNS、機内誌などを通じこの分野の最大の情報発信者。アジア人初の700Club(オーストラリア産鳥類リストが700種類以上ある人の名誉クラブ)に当時若干36歳で加入した。オーストラリア産鳥類リストは20台半ばでの移住した人間としては驚異的な現在742種。Birdlife AUSTRALIA(オーストラリア野鳥の会)が長年行なっているセスジムシクイ類調査の調査リーダーや運営委員を務めており、オーストラリア人野鳥ファンを英語で支障なく案内できることから豪国内でも全国的な知名度を持っている。QPWS(クィーンズランド州政府 野生動物・国立公園管理局)に職務番号および従業員ID番号も保有。オーストラリア永住権やバスツアー事業認可、国立公園や自然保護区の営利使用認可、HR運転免許、救急処置資格、衛星携帯電話、海外添乗員資格(国交省)なども保有。オーストラリア有数の探鳥エリアであるアサートン高原にある4000坪の自宅兼民宿【ジョンストンベンドキャビン】及び【AAK ロッジ】で野鳥や動物を見つつ暮らしている。有名会計事務所から『ケアンズ随一のビジネス』と評される。
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» ケアンズバードウォッチング » 28回目のアイアンレンジ国立公園 その2
ヤシオウムという鳥は、サイズとしては他のオウムと特に変わらないもののその髪型と嘴の巨大さで頭部が非常に大きく見え、迫力がある野鳥。減少が続き数年前に絶滅危惧種入りしてしまった。 あと野鳥ファンの激増により迂闊に道端などに現れようものなら包囲されて数千枚の写真を撮られて追いかけられるため、そもそも人間を嫌がるようになってきたのもはっきりと感じる。オウムは知能が高く、長生きの動物だ。 日本とは真逆の悩み、人口が増えまくってもう止めようがないというオーストラリアにおいていつまで野鳥観察が楽しめるかなと最近時々考えるようになった。この30年間で国の人口は2倍に増え経済は活況を呈しほとんどの人がそれを良いことだと考えている以上はもうだめかな、と感じる。たとえば30年前の日本の人口が一億10000万人で、今は2億2000万人に増えたと想像すればそこで起きている破滅的な自然破壊及びバーダーの激増が察せられる。 加えてこの数年続く異常気象もある。 振り返った時に「いい時代を過ごせた」と思えるようにしたいね。
このヨーク半島の冬の長雨という異常気象はB班が始まっても改善せず、ロックハートリバーとケアンズを結ぶフライトも連日欠航していた。多くは近くまでは飛んできて着陸は試みるものの、視界不良ということで近隣の空港へダイバートしていく。その様子を見て我々の中でも自然に「明後日のフライトも欠航して帰れないのではないだろうか?」という話になり、目的のヤシオウムを完璧に見たワケだしホリデーはその後も続きがあるようで1日早く切り上げて私のランドクルーザで一緒に帰ろうかという話になった。 私としてはありがたい反面、二日間かけて一人でのんびり運転しながらケアンズへ戻るのを楽しみにしていたのがすっかり仕事になってしまいなんとも言えないところ。
ということでアイアンレンジから陸路での脱出を開始。長雨のせいでヨーク半島はすっかり20年前のワイルド状態を取り戻していた。私は4500ccターボディーゼルのランドクルーザー200でいつも当たり前のように行き来しているけど、どんな車でもトラブルなくこんな泥沼を1000kmも行ったり来たりできると考えないほうがいいですよ。事実今回は道端でレッカーされている四駆を何台か目撃。 天気が悪いから早く切り上げるなんて本当ですか?とか旅行代理店から突っ込まれるといけないので写真を撮っておいたが周りの車はみんなこんなのだぞ。こんな泥沼の中を歩き回りたいか?
こんな状況下で苦しい探鳥を続けて、挙句帰れなくなる可能性が高くなるなら早く帰ったほうが正解。目的を完全に達しているのだし。
アイアンレンジをでて、最初のロードハウスまで来たところでの開放感はなかなかだった。ここまで来ればもう余程のことがなければ予定通りのケアンズへ帰着できる。ヤシオウムともお別れ。
むしろボーナスとして予定にはないキビタイヒスイインコが見られた訳で悪くないじゃないですか。悪条件の中で最善を尽くして目的のヤシオウムを異常なレベルで見られたし、無事に遅れることなく彼らを次のホリデーの目的地であるポードタグラスへ送り届けられた。彼ら(オーストラリア人夫婦)がとてもハッピーだったことは頂いた約15万円ものチップからも察せられる。(完)
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