Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

クィーンズランド州北西部、西部11日間その5

リングテイルドドラゴン

急峻で大規模な岩場が広がるローンヒル国立公園は爬虫類の住処だ。目玉焼きなどすぐつくれる石焼きステーキ状態の岩の上にも様々なトカゲを見た。リングテイルドラゴン。以前アリススプリングスで撮ったのとは別亜種のmacropusと思われる。


私の旧型のカメラは液晶モニターではないしティルト機構もない。姿勢を大きくかがめるのがためらわれるほど地面が熱い。火傷すると思う。


暑さで充電十分なトカゲたちは射程距離に虫が入ってくると、俊敏に走ってつぎつぎ捕らえていた。

英名すら付いていないCtenotus spaldingi




インディージョーンズ太陽の石的なローンヒル国立公園。ここは最高だ。アウトバック屈指の美しさ。


イネ科アレルギーの人が卒倒しそうな全開のスピニフェックス。


もちろんヤマモガシ(Dryander’s Grevillea、Grevillea dryandri)のような綺麗なものもあるが、基本的には彩は少ない。荒々しくいい意味で粗野な雰囲気なのがアウトバックの魅力。


私のキャンプサイト付近をあるいてスピニフェックスなどの種子をつついていたウスユキバト。以前カミカザリバトを保護していた時にそのとぼけた性格からすっかりハトファンに。あの頃も楽しかったなぁ。


炎のそばにいるような激烈な太陽光線が弱まっていく。内陸部では日中は生存しているだけでも精一杯であり、夕方の美しさといったらまた格別だ。
いやあ涼しくなってきましたね。(独り言)


晩御飯なんて放っておいて、この大渓谷の夜の探検に出発です。




険しい岩場斜面を苦にしないケナガワラルー母子。オオカンガルーやアカカンガルーといった平地性のものが多いけど、ワラルーは起伏のある土地を得意とする。私も同様。ただこの谷には何か不思議な気配が満ちており、「どうも不穏だな」と感じ早めに引き下がった。オーストラリアの辺境を昼も夜も一人でよくほっつき歩いているけど、時折そういった気配を出している山や谷に出会う。オーストラリアの辺境では人間の存在など枯葉のようなものであり、世界最小の人口密度であることが全てを語っている。

いずれどこかで命を落とすかもしれないが、病院のベッドでよりはずっと好ましいと思っている。そしてそのまま何ヶ月も発見されないことが最も太田らしい最後な気がする。ちょっと意味の違う「孤独死」だ。永久に発見されないのがさらに理想だが、それは多分迷惑なので避けるようにしよう。

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