Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

セスジムシクイ調査ボランティア2018 その5

コバシムシクイ

オーストラリア最小の野鳥(L8-9cm)とされるコバシムシクイ。決して可愛い小鳥ではなく、眠たげなのが特徴。

暑さの中を登山道ですらない原野、その多くが斜面を歩き回るセスジムシクイ探しでは消耗も激しい。しかも相手は何日も探して一回とかしか見かけないような相手。Pが疲れ切ってきていたので車まで先に戻って休んでいるように言い、私は遠くから見て若干気になった箇所を後一つだけやってから車に戻ることにした。そんな時に限ってこの日、朝から探し続けて影も形もなかったセスジムシクイが


サービス全開。これはカルカドンセスジムシクイの方。セスジムシクイ探しは結局この、未知の広大な土地からポイントを見つける能力に尽きる。実績がある場所であってもどうせ2−3年のうちに名物の山火事で燃えてしまうのでオーストラリアの内陸部では日本と違ってあまりそうしたポイント情報は意味がない。毎年探し続けないければならない。オーストラリアの内陸部では山火事は「今日はまとまった雨だ」くらいの日常的な自然現象であり、基本的に消化活動も行われない。


Pを無線で呼び続けるが、車に戻って電源を切ってしまったのか電池が切れたのか応答がない。仕方ないので車まで戻りカルカドンセスジムシクイの写真を見せると「是非見たい!もうこの先一週間何も見えなくたっていい!」とまでいうので連れて戻ってあげることにした。


数分後。全く同じ場所で全員でしっかり観察できた。写真だけ見てると、こんな冴えない茶色い小鳥の何が、と思うかもしれないがセスジムシクイ探しには上級者ほど熱くさせる魅力がある。

Exit mobile version