Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

雨季にセスジムシクイを見に行こう その2

ムナグロオーストラリアムシクイのメス
実質探鳥開始初日。ムナグロオーストラリアムシクイのメスに見送られながら早速セスジムシクイを探していく。場所は過去に見たことがある場所と、直感で良さそうだと思った場所と半々くらい。長い間使っていた300mmや400mmあたりのレンズだと、背景のスピニフェックスがこんなに溶けないのでやかましい画像になってしまうけど600mmはやはり違う。それにカメラをR3にして以降は一層とろけるようになった。

おーキンカチョウのペア。なんだかちゃんと見るのは久しぶりな気がする。
セスジムシクイを二箇所で外してちょっと心配になってきたので実績のある場所を探していると


おおーカルカドンセスジムシクイが岩陰から登場!R3はいい写りするなあ。1DXではこうはならない。


カルカドンセスジムシクイは、初見だった2010年の時の写真が長い間ベストショットで、地元の野鳥の会の会報にも使われ続けているがこれの写真も使えそう。


飛び去る寸前の一枚。とりあえず最初のセスジムシクイ(二羽いた)が見つかってかなりホッとしたものの、カルカドンはムナジロセスジムシクイに比べればまだ容易とされる相手。今回は調査と違って自由に動けるので、このくらいで喜んでいられず両方の種類を次々に見つけないといけない。

岩がちな風景が広がるマウントアイザは日中でも様々な爬虫類が見られる場所で、好きな人にはたまらないと思う。これは種類の多いCtenotus属の何かで、Soalding’s Ctentsかな?

エンジンがかかってきたあたりで、当初から懸念されていた雨が降り出した。しばらく車内でランチを取ったり雨宿りをしてみたが一向にやまないばかりか空はどんどん暗くなってきた。


まあこんな感じの状態。昼間の野外なのにISOが6000とかになるし。しばらく考えた結果、今いる山中を撤収し国道近くまで大きく引き返すことにした。2時間かけてやってきた道を2時間かけて引き返すロスは悔やまれるが、単独行動の上に僻地すぎるところで悪天候を迎えたくない。一応衛星携帯電話があるのでSMSで地元の人に最新の予報を尋ねると「週末だけで300mm降るって言ってるよ!」という。コンクリートの街に300mmの雨が降るのと、濡れると粘土状になって車で走ることも歩くことさえも困難な未舗装赤土地帯に雨が300mm降ってくるのとでは意味が違う。



ということで大きなロスをしながら早めの判断で通常の携帯でも電波も届く国道近くまで引き上げた。天気予報アプリに表示されているのは内陸マウントアイザとは思えない「洪水警報」「降水確率100%」といった文字や、夏の昼間なのに気温がわずか23度という、まさに嵐だねという状況となってきた。明日も明後日もこれか。どうする?


ベースキャンプを建て一夜を明かしたのだだけど、何もしないことに耐えかねて朝から近場に探鳥に行った。まあムナグロオーストラリアムシクイ(分類の変更で厳密には別種)とかいるんだけどしつこい雨で、ブーツや雨具、ザックがびしょびしょになった。セスジも外したし、出かけなければよかった。失敗。

明日はさらにひどい天気になる、という予報で明日は終日停滞を覚悟した。なら今日のうちに体勢を立て直して明日は籠城しよう、ということでびしょびしょになった靴や服をガゼボの下で乾かしつつ、一旦マウントアイザの街まで買い出しに出かけた。防水シート、たくさんのタオル、ゴム長靴、追加の着替え、誘蛾灯、などだ。

この行き帰りの未舗装道路は泥沼クロカンサーキット場と化しており、右に左に車はスピンした。泥道で車がスリップを始めたらどう制御したらいいのか?を10年分練習できた気がする。不要不急のお出かけで道路を痛めてしまって地元の方々に申し訳ない。明日は絶対にどこにも出かけないぞ。

Exit mobile version