Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

雨季にセスジムシクイを見に行こう その10(完)

カルカドンセスジムシクイ
セスジムシクイ類はほとんどの時間を地面を走り回って過ごし、数メートルの飛翔力しかないという相手。そんなセスジムシクイに上から見下ろされるという珍しい構図の一枚。

歩いてたら頭上から突然大きな鳥が飛び出した。何だ!?と思ったらそこにオーストラリアガマグチヨタカの巣があって、私が気が付かず下を通りかかったので親鳥が2羽のヒナを置いて逃走したのだ。悪かった悪かった。すぐに親は戻ってくるはずだ。大丈夫、誰もあなたたちがそこにいるのは気が付かないから。


カルカドンセスジムシクイはムナジロセスジムシクイと比べて単独でいることが多い種類だけど、それでもメスが後方にいるだけで気づけていないケースも多いと思われる。ここで初めてメスが合流。

さて嵐に逃げ惑う最初の何日かを経てベースキャンプを構え、探鳥が落ち着いてから今日で三日。午後は暑いのとリモートで業務をこなさなければいけないので午前中だけの探鳥をしていた。この三日間で発見したセスジムシクイはムナジロセスジムシクイが28羽、カルカドンセスジムシクイが13羽。それも大半が道路からすぐ近くの場所で誰かを連れてくるにももってこいの場所を多く開拓できた。十分満足した私は予定より一日早く帰路に着くことにした。

マウントアイザの知人を訪ねたり、急に閃いた収納アイデアを試すために自動車用品店に寄ったりしながらマランダまで12時間の運転を開始、と思ったが帰りも国道があちこちで水没のため通行止め

こんな大草原にポツンと立っているような木造の家に興味がある。ただ本来は茶色っぽい背景の平原が、今年の大雨で緑になっているのだけど。

通行止め地獄は続き、およそ150kmくらい遠回りさせられたかな。そろそろ野営地を見つけないとな

と、反対方向からこの地域に不釣り合いな二台のセダンがきて川で立ち往生していた。おそらく国道の通行止めでこちらに迂回させられてきたのだろう。私が簡単に渡り「深さは20cmしかないし底は舗装道路だぞ、行け」と言っても中国人運転手たちは車の底が水に触れたら壊れる、と強く信じているらしく私のアドバイスを聞かない。セダンだろうがなんだろうが、空気取り入れ口まで水没しない限り車は走り続ける。マフラーが水没してもエンジンさえかかっていれば車は走るよと説明しても怖がって動こうとしない。そのくせ靴にビニール袋を被せたりしているのが意味がわからない。とそこへ時速100kmでトラックが突っ込んできて私まで轢かれそうになった。もう知らん。勝手にそこで立ち往生して、四人が足にビニール袋を巻きつけたままトラックに激突されろ。場違いも無知も甚だしい。



なんかこの辺りに見覚えがあるなと思ったらここは4年前にセキセイインコの空前の大群15万羽に遭遇した田舎道だった。「アイスキャンディーの木」とみんなが名付けた木もまだあった。あれから4年。この道には1羽のセキセイインコさえいない。内陸は全てが一期一会。いつかは…とか言っているうちに人生は終わっていく(完)

↑伝説のセキセイインコ15万羽の乱舞

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