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極めて珍しく成功したオオニワシドリの求愛

オオニワシドリの求愛

さえずりによる一般的な野鳥の求愛ではなく、オオニワシドリは建築の出来映えで求愛する。よくこの物体は巣と誤解されているが、オオニワシドリの巣というのは木の上にある普通の鳥の巣でありこのトンネル状の建物および周囲に配置された飾り物はただ求愛のためだけにある。


白と赤(ピンク)をベース色にするのがケアンズ周辺のオオニワシドリの伝統であり、地域によって異なっている。(参考→緑を主体にしたアウトバックのアズマヤ


生産的な意味を持たない芸術というのは基本的に人類だけが持つ物とされ、ニワシドリのこの飾り付けの習性はしばしば議論の対象になる。何しろトンネルの内部まで白い粉で塗られているが、この建物に実用的な用途な何もない。


オオニワシドリのこういった建物を使用した求愛は、過去数百回見物していて交尾まで至ったのが確認できたのはわずか2回目。大変な労力の割にほとんど成功しない非効率的な求愛といってもいい。今回珍しく撮影に成功したけど、ほとんどの場合は途中でメスが去って行くか、他のオスが恋路の妨害に来るか、弟子が乱入してわけがわからなくなるかのパターン。(参考→師匠の求愛を背後から見学する弟子

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