Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ニュージーランドミヤコドリTwitch

ニュージーランドミヤコドリタイトルの「Twitch」とは、バードウォッチングの世界において極めて珍しい野鳥がある国に迷い込んだ場合にそれを見に遠路を駆けつける狂った行動の事である。

これは本来ニュージーランドにいるはずのニュージーランドミヤコドリ(写真)がオーストラリアのゴールドコーストから車で2時間の海岸に迷い込んでいるのを聞いた男の 「Twitch」の記録である。

「Twitch」には資金が必要だ。ケアンズから道路距離なら2000kmも離れているゴールドコーストへの往復航空券が数万円、レンタカーが一万円、ケアンズ空港への往復タクシー代が数千円…。それは全て、一種類の野鳥を見るためであり、もちろん私が駆けつけた時にもまだそこにいる保証は全然ない。

それも日帰りで。移動時間を除くと実質ニュージーランドミヤコドリを探すのに使える時間は1時間程度である。いざ勝負!!




暴風が吹き荒れ霞がかかる海岸を歩く事2km。遠くにオーストラリアミヤコドリの群れが見える。情報によるとニュージーランドミヤコドリはそれに混じっていて、両者酷似しているもののニュージーランドは「1N」というフラッグが足についているという。それなら簡単だ。あの集団の中にいるに違いない!


しかし暴風過ぎで気分はゴビ砂漠だな。


少しづつ接近して、さぁあと少し。フラッグをつけている奴はさてさてどれだ!?と思ったら


まさかのフラッグだらけ(°▽°)

全体の半数がフラッグをしているという異常な状況に呆然とする。フラッグをつけている鳥を一羽一羽撮影し、モニターで拡大してその記号確認するという作業を延々と強いられる。時間がどんどんなくなっていく。


L7?違う!「1N」はどこだ?


S2? K7?こいつらも違う!「1N」はどこだ!?そろそろ見つけないと帰りの飛行機が…


はっ(゚o゚;; ?


あれは…


「1N」きたー!・:*+.\(( °ω° ))/.:+


こ、これがニュージーランドミヤコドリ!!この瞬間が生きていて最高の幸せ。


右が「1N」ことニュージーランドミヤコドリ。左は普通のオーストラリアミヤコドリ。ニュージーランドミヤコドリの方が足が短く、嘴が細長い。


「1N」ことニュージーランドミヤコドリの飛翔。


左が「1N」ことニュージーランドミヤコドリ。Twitch完了。

よし帰るぞ、とレンタカーに飛び乗りゴールドコースト空港を目指してアクセルを踏んだ。道路距離なら往復4000kmに達する壮大な日帰りひとり旅。

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