2017年前半はオーストラリアの南西、パース周辺が珍鳥に湧いていた。コモンシギ、ダイシャクシギ、ハチクマ、チゴハヤブサ…日本ではコモンシギを除いて普通種だがオーストラリアではいずれも珍鳥。それにちょうどクリスマス島やココス諸島へ探鳥に行くためにパースへ飛ぶのでその前泊や後泊を利用すれば珍鳥を一気に複数見られるじゃないか!なんてラッキーなんだ!
全日程で三週間にも及ぶ探鳥旅行が始まった。夜遅いフライトでパースへ飛んでレンタカーを借りると郊外へと激走し、そのまま道端で車中泊。オーストラリアは野宿や車中泊は違法なので見つからないようにするスキルが低いと深夜や早朝に警官やレンジャーに発見され高額な罰金を課せられる。どうすれば見つからないか?なまじ人目のない林や公園などに行ってはいけない。それはアマチュアのすることであり、日々取り締まっている彼らだって最初にパトロールするエリアだ。プロはそんなところで寝ない。
某所にて。先ずはオーストラリアではほとんど出ないダイシャクシギを探す!これはよく似ているホウロクシギだが。
んーこれもホウロクシギ。60分ほどウロウロして、ちょっと心配になってきた頃…
お、あれは?
と思ったら平行に飛んだ。左の個体は白い腰、やや小さめ、嘴やや短め…ダイシャクシギだ!!
そしてそれを追撃するのはホウロクシギだ(笑)。なんと分かり易い。
両者最接近し、去って行った。ダイシャクシギTwitchは1時間で完了。Twitcherは他に見当たらず。
あっさり片付いたので返す刀でハチクマがしばらく観察されていた場所へ。しかしそれは最後の目撃からもう一週間は経過しており、もう抜けている感じだった。1−2時間やって見たが三番手のチゴハヤブサTwithchへ移行することにした。
←これがオーストラリア全土に張り巡らせている情報網から仕入れたチゴハヤブサの採餌パターン(赤線)である。
こちらも最終目撃から何日か経過しているが、何週間も滞在していた個体だからまだ可能性はある。興奮で身震いしながら私はレンタカーのアクセルを踏んだ。
(このチゴハヤブサ探しが、家から何千キロも離れたパースで実に3ヶ月をまたいだ歴史的な難産になることをまだ知る由もない)
(続く)