Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

セスジムシクイ類調査2019 その4

月の出
この頃はちょうど日没とともに月の出が見られる魔法のような月周りだった。

天高く登っていく前の月は前景にこうして森などが入ったりする。私は毎晩飽きることなく月が昇ってくるのをこの誰もいない原野のキャンプから見ていた。

調査も後半に入った。後半割り当てられた土地は牛が多く放牧されており、その圧力でセスジムシクイ的には難しい環境だった。

ヒロオトゲハシムシクイのマウントアイザ周辺固有亜種cinerascens

鳥以外では今回一番の大物かもしれないHosmers Skink(Egernia hosmeri)だぞ!!こんなゴアナのような頭部、ドラゴンのような胴体をしていてスキンクだぞ!!一種増えた。
AAK Nature Watchのマウントアイザ支社です。電気や電話はこの地域はもともとありませんので。

調査は終わりに近づいた。私のチームは予定された期間よりも早く全調査地点をこなしたので、2−3日早く終わったが他のふたチームはまだ終わっていない。解散式までいたいのは山々だが、データや機材を持ったまま私達は解散することになった。

元々の計画ではここマウントアイザから一昨年と同じくバーズビル経由でオーストラリアの砂漠地帯を縦断し、オーストラリア南海岸アデレード近くまで行きながら探鳥する計画だった。

こんな辺鄙な冒険ルートを通るのは、その過程にまだ見たことのない野鳥が5種類ほど期待されたからだ。

ところが今年1月中旬にクィーンズランド州中部を水没させたあの大雨は、その後三ヶ月をかけてオーストラリア中央部に流れ込みこの地域を水没させて通行止が続いていた。私がセスジムシクイ調査に出発する前日までずっとチェックしていて通行止は続いていたが、まあ2週間調査しているうちに通行止めは解除されるでしょ!というのは所詮日本人的なスケールの小さい発想だったようだ。

この地域一帯の水没は2週間近くが経過しても何も変わらず、それどころか「あと一ヶ月くらいはかかるんじゃない」というガイド仲間からの情報によって私はアデレード方面へ南進することを諦めた。マウントアイザのTelstra Air(Telstraの契約者が全国で利用できる無制限高速wifi。長旅には必須すぎる)で急いでいろいろ調べた結果、転戦先は…


オーストラリア有数の辺境、キンバリー地区のミッチェル台地へ!!

ミッチェル台地にはまだ見たことがない野鳥が3種類いる。それを見るための大遠征だ。マウントアイザまでは来ているとは行っても、ミッチェル台地までは往復4000kmもあり、最後の数百キロ部分は多くの人がセスナ機やヘリコプターで行くようなところで有名な悪路だ。しかもまだ5月末。雨季が明けてからそれほど経過していない(より難しい)。


次回からはミッチェル台地遠征編をお届けします。その前に、セスジムシクイ調査中に回していたビデオカメラの映像もどうぞ。

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