Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

セスジムシクイ調査ボランティア2週間 2017年版その5

オレンジオーストラリアヒタキ

アリススプリングスなど内陸部の水辺によくいるオレンジオーストラリアヒタキ。そんなにオレンジ色ではないけど果物のオレンジに似た色をしているという意味らしい。後で出てくるけど、別種でキイロオーストラリアヒタキというのもいるし。

二週間協力してきたセスジムシクイ調査ボランティアから離脱してまた自由な単独行になった。この大陸をどちらへ、いつまで彷徨おうがそれは私の一存次第だ。世界屈指の無人地帯でもあるオーストラリアの内陸部を一人で彷徨うにはそれなりの装備と経験が要求される。自由に流離い、かつそれらの困難を処理することを私は幸せと呼ぶ。


わっなんだこの群れは!?


クマドリバトだった。みんなこちらを見てる(笑)


クマドリバトの群れが湿地を飛ぶ。なかなかいいじゃない。彼らの英名はFlock Blonzewingといって、もう名前の時点でFlock(鳥の群れ)が売りなんだし。


今度は色が変わってキイロオーストラリアヒタキ。それほど実は色は変わらないが、オスなので胸に黒い三日月マークがある。やたらに逃げる上、この土地には隠れられるような遮蔽物がないので精一杯。実は一種増える!


探していないときに見つかるのはマキエチドリのような大物だったりする。


半砂漠地帯を走り続けてオーストラリアの4WD野郎の聖地、バーズビルのバーズビルホテルまでやってきた。ここの前に愛車やバイクを並べて撮影するのは鉄壁の定番。バーズビル西のシンプソン砂漠や、南へ向かうバーズビル・トラックは4WD野郎や冒険家に有名。番組的にはドアを「ばーん!!」と開けて踏み込み、バーボンかビールをカウンターで飲まなければならないシーンだが、私は飲まない人間なので少し中を覗いただけだ。まぁ、普通の田舎の酒場だったよ。


セスジムシクイ調査仲間から「バーズビルのベーカリーは素晴らしい」と聞いていたので寄ってみようと思ったらこの騒ぎ。これはランクルのオフ会ですか??

せっかくだから入店してみてミートパイ、コーヒー、タルトの三点を注文してみたけど、全て不味かった。タルトにおいては最悪と言ってもいい。私は基本的に何を食べても美味しいという人だけど、そんな私が「最悪」と思った不味い店に人が殺到してるのは滑稽である。バーズビルの村が観光地的なのは、普段人口100人くらいのこの砂漠の村はバーズビル競馬の時は2万人に膨れ上がるという背景による。あー嫌だ嫌だそんな場所。


むしろその辺の住宅の方がずっと琴線に触れるけど。


警察官も公務でキャンプだってするような国。オーストラリア国民と視点を共有したいじゃん。


明日朝村を出て砂漠へ入る。

「私もとうとうシンプソン砂漠やバーズビルトラックに挑戦できるようになったか…」とオーストラリアに来たばかりでレベルゼロの頃を思い出して感傷的になりながらバーズビルの町外れの原野でキャンプをしていた。そう、静かな夜だった。しばらくは。


夕食を準備している頃から周りの空気が動き始め、アッという間にそれは大砂嵐となって襲ってきた!!1秒でも早く車に逃げ込むよりない。この天気図において、核爆弾が炸裂したかのような赤丸のエリア、それがこの夜の砂嵐だった。

海沿いとか台風ならまだしも、なんでこんな地球のヘソのような内陸でで大旋風みたいなのが起きるわけ?ランクルじゃなくてテントとかで寝てたら本気でオズの魔法使いになるところだった。

食べる前だった野菜炒めは砂嵐で瞬殺された。



マジで砂漠だからね。野菜炒め返せ。


砂丘に残されたセスジムシクイか、オーストラリアムシクイの足跡。セスジムシクイ調査員の仲間から「バーズビルを西に出て○個目の砂丘にシロハラセスジムシクイ」という古い情報は聞いていたのだが、砂丘は大小様々であり、特に小さいやつを一個の砂丘と数えるのかどうかで混乱する。もういいや。それは。


全然情報ではない場所で30分程度でシロハラセスジムシクイをゲット。一種増えた!本来はハイドに隠らなければならないような警戒心の非常に強い野鳥という事だ。英名はEyrean Grasswren(エイリアン セスジムシクイ)だし。


こんな過酷な場所でカタゾウムシ?いや、それに擬態しているカミキリ?

Exit mobile version