Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ココス諸島探鳥記 その1


日本人としてはおそらく何十年か前にきた人類学者以来の二人目だ、と言われつつインド洋に浮かぶココス諸島に探鳥に行くことができた。地図の通りココス諸島はオーストラリア本土からはとてつもなく離れており、西海岸の都市パースからフライトがあるのだけどパースからよりもまだスリランカから来た方が近いぜ…というほど全くオーストラリアの地理圏外に浮かぶウルトラ離島である。昔マレーシア航空が絶海で行方不明になった、とかいっていたあのあたり。そもそもフライトも国際線だし(笑)、入国審査あるし、宗教はイスラムだし島民はココス語を話している。それの一体何がオーストラリアだというのか!?

それでも法的にはそこはオーストラリア連邦であり、ココス諸島で観察できた野鳥はオーストラリア産鳥類として当然カウントできる。その立地からココス諸島には中東や東南アジア、インド洋、アフリカやマダガスカルの野鳥が降り立つというオーストラリアのTwitcherにはこの世の楽園のような島だ。オーストラリア産鳥類リストは700種あたりからこういった100万円クラスの旅を要求してくる。南極圏のマッコーリー島やハード島とか。後者は200万円以上かかるかな。
ココス諸島
←レア度の高いココス諸島の空港コード「CCK」のクレームタグ。入国(?)管理官も日本のパスポートなんて初めて見るんだろうな。

オーストラリア本土からインド洋の真ん中に飛び出す瞬間は感動的である。この先はマレーシア航空機が行方不明になれるような、世界でも最も航空機や船舶の往来のない巨大な空白地帯である。ワクワクする一方で、緊急着陸も何もする場所のない太陽へ飛び出すのはスリルもある。パースから飛行を続けること数時間…


おおーーココス諸島に着く!!!


おおぉおー!ニンゲンが住んでる!


ナニコレどういう地形?


干潟だ、干潟!ジェット機が着陸できるようなところがあるのか!?


ついにココス諸島にやって来た。日本人としてははっきり確認できる範囲では人類学者に次いで二人目である。民族の研究目的じゃなくて、野鳥を見るためにな。


オーストラリアのコモンウェルス銀行のココス諸島出張所は切符売り場級のすごいところだった。しかも宿の受付を兼任(笑)。営業時間は一日わずか3時間か何かであり、利用するのは容易ではない。


今回一週間泊まった貸家。寝室が4つでリビングやキッチンは共有。浴室とトイレは二つ。


ココス諸島は携帯電話網は存在していない。インターネットはかなり割高だがこれを利用しなければ全く音信不通となる。この絶海の孤島で音信不通なんてエレガントだが、一応経営者としてそれは無責任なので一週間$64.95のプランを買っておく。ちなみに画面にも表示されている通り、ココス諸島のドメインは.cc(ドット シーシー)だ。

それ以外で初日にすることは頼んでいた車の受け取りとか、一軒しかない雑貨店で朝食や昼食となるものの買い出し。夕食は割高だが宿で有料でとることができる。

物価は「牛乳$10、ヨーグルト$10」とか、日本よりもずっと物価の高いオーストラリア水準に慣れていてもかなり驚異的なレベルなので、極力インスタントや軽い食品を持ち込むべきだった。これは反省である。

さぁ準備も終わった、まずはココス諸島の西島を探検だ!!!




オーストラリアではココス諸島にしか見られないシロハラクイナ!!一種類増えた!


積み荷に乗っかってイスラエルから侵入したとされているげっ歯類。名前は後ほど。


オーストラリアではココス諸島にしか見られないアオエリヤケイ!!一種類増えた!1800年代にマレーシアから持ち込まれたとされ、今では世界のアオエリヤケイでも最も純血種とされるのがここココス諸島のそれである。


はしゃいでいたら足元からハリオシギを吹っ飛ばした。


ココス諸島では何もかも珍鳥に見える。が普通のハシブトゴイ。


その若鳥。


オーストラリアではやや珍鳥、ただのツバメ。ケアンズでも何年かおきに飛来する。

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