Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

雨季にセスジムシクイを見に行こう その5

本来雨が少ない内陸部にまとまった雨が到来し泥濘地帯となる中でベースキャンプにスタックして三日目の朝が来た。昨日は夕方にターゲットのムナジロセスジムシクイを新しい場所で見つけたので気をよくし、今日は多少車で走ったところにある一角を探してみることにした。そこも過去10年でセスジムシクイ探したことはない上に過去何十回と通り過ぎて何も思わなかったところだけど、初日に通り過ぎた時に「あれ!?良さそうじゃん」と思った場所。セスジムシクイ探しの面白いところだ。

車から降りて20mも歩かないうちから「ここにセスジムシクイが出なければ嘘でしょ」という環境が続いて、実際は20分くらい歩いた先だったけど最初のペア登場。愛想も悪くない。さらに進むとまた別のペアの鳴き声が!ただ彼らは警戒心が非常に強く、ほとんど姿を見せなかった。さらに進むとまた別のペアが出現。凄まじい、わずか1時間以内にムナジロセスジムシクイが3ペア6羽出てきた。

そのうちに雨足が強まってきたが、面白いものを見た。ヒメモリツバメが集団で焼け落ちた木の幹にくっついている。たまたまそこにいたのか、ある種の雨宿りだったりとか?このヒメモリツバメに導かれるようにこの一角にはさらにムナジロセスジムシクイの2番4羽が現れ、今回のセスジムシクイ旅行中の最大のセスジムシクイラッシュが完成した。一つのポイントで5つがい10羽だぞ?難攻不落の絶滅危惧種が。

雨を見上げるムナジロセスジムシクイ。たまらん。

雨粒の中、倒木を跳ねるムナジロセスジムシクイ。なかなか見ない構図。

スクリー、という礫砂漠の一種に立つムナジロセスジムシクイ。これは別のペア。そこにも雨が降る。

R3とロクヨンの組み合わせならあのスピニフェックスが面白いように背景でとろける。

全部ペアで出てきているのだけど、常に前列に出るのがオスなので目立った写真はこうして全部オスのになっちゃうね。

しかもこのラッシュが起きた場所は車から50mと離れていないという、野鳥ガイド的にはこの上ない便利な場所を見つけた。よしもういいわ、今日はこれで帰ろう!と大満足して雨のベースキャンプに引き上げた。

しかし午後になって退屈してきたので、今度はこの近くでカルカドンセスジムシクイを見られる場所を開拓に行った。同じエリアでムナジロセスジムシクイもカルカドンセスジムシクイも両方見られるならこんな楽なことはない。と言いつつクロズキンヒタキのメスの写真をアップしていることからお察しの通り、そこまで快進撃は続かなかった。

こちらはクロズキンヒタキのオス。まあ午前中だけでムナジロセスジムシクイ10羽発見という時点で神がかってるんだけどね。過去のセスジムシクイ調査では3週間もの期間、何十人の調査員が探し続けて1羽も見つからなかったという惨劇的な結果を出したこともある相手だし。

残りの何日かの目的が絞られた。この付近でカルカドンセスジムシクイを見つけて将来的なガイドに備えることだ。

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