Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ミッチェル台地遠征編 その2

ミッチェル台地に向かう道200kmほど走ってギブリバーロードから外れ、目的地ミッチェル台地に向かう道はさらに凶悪さを増した。その看板…

ある興味深い別の道路標識の写真を撮り損ねたのだけど、“正確にはここは「道」ではなく責任を負いませんよ(保険とかおりませんよ)”という事だった。もちろんレンタカーなどは走行禁止である。ミッチェル台地に向かう資格があるのは自前のフル装備大型4WDと十分な経験を持った人間だけだ。行き交う車の多くがスペアタイヤを三つ積んでいるのをみて二つしか持ってきてない私は心細くなってきた。


川も何本か渡る。今年はノーザンテリトリーがカラ雨季だったので大したことはなかったが、こんな道じゃそりゃあ保険なんか降りないだろうよ。オーストラリアで売られている大型4WDのいくつかの車種にはこうして水没しながら短時間走行するためのシュノーケルが最初から取り付けられている。数百万円もする車なのにクルクルウィンドウ(手動で窓を開けるアレ)、オートマの設定はなし、エアコンはオプションなのにシュノーケルは標準装備(数年前にさすがにエアコンは標準になった)というのがオーストラリアだからな。

タイヤが一つ吹っ飛び、ネジが何本か抜け落ちた程度の損害で無事にミッチェル台地にやってきた。ここにキャンプを張りこれから3泊しながら3種類のライファー目指して頑張るつもりだ。

到着がお昼頃だったので暑い時間帯にウォーキングに出かけることになった。小川には熱帯魚店で売っていそうな水生植物が生えていた。

こんな世界の果てまで登ってくるような人だから当然健脚のブッシュマンだよな?という難易度高めの散策路。

そうでない年配の方々はヘリコプターで多くやってきていた。観光客の目当てはミッチェル滝をはじめとする断崖絶景だが、確かにそこまで往復するのはキャンプエリアからこの起伏の激しい散策を往復5時間というのはなかなかの強者。でも私は滝をわざわざ4000kmも運転して見にきたわけではない。誰がそんなくだらないことするか!


歩き始めて15分も経っていない頃、それはいきなり飛んできた!!モンツキイワバト!!


「ひ、一つ目!!」とシャッターを押しながら叫んだの覚えている(翻訳すると、“ライファー候補3種類のうちの一つ目がもう出たー!”、という意味)。


近縁種であるチャバネイワバトが手強い相手であることから、モンツキイワバトも時間がかかるだろうと思っていたがここではいっぱいいるようだった。そして残る2種類を探して険しい岩場を進んでいくと


ライファー二つ目!キンバリーシロスジミツスイ!さらに快挙は止まらず、キンバリーシロスジミツスイを撮っているときに後ろの方でライファー最後の三つ目となるクロセスジムシクイが鳴いている!!くー。とりあえずミツスイを放り出してクロセスジムシクイの声がした方に寄っていくが、1−2度鳴いたあとはどこかへ行ってしまった。

今回のメインであるクロセスジムシクイを捉えきれなかったのは残念だが、わずか3時間程度で一気にライファーを3種類もゲットするということは今後マッコーリー島(オーストラリアが領有する南極の島)に行くまでもうないだろう。これからまだ3泊もするんだぞ、困ったな(笑)とか言いながらキャンプに帰った。

いい1日だった。今日も。

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