Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

セスジムシクイ調査2021 その3

セキセイインコが森林に
野生のセキセイインコは普通は砂漠性の平原の野鳥であって、こうした森林内にその姿を見るのは新鮮な印象。

セスジムシクイ調査キャンプは原野を毎日移動しながら「午前中は調査」「午後は移動及び自由時間」というスケジュールで行われる。過去には「午前中は調査で午後も調査」というがんじがらめの時代もあり、大半のボランティアは「最強ムナジロセスジムシクイを一目見る」という生涯目標を達すれば翌年以降もう戻ってくることはなかった。その反省から2019年ごろからセスジムシクイ調査はやや軟化し、基本的には午前中だけの業務で(それでも結構きついのだが)午後は移動や、移動がない日は自由時間となっている。この自由時間をどう充実させるかは班長のキャンプ地選びに多くがかかっている。指定されたキャンプ地は全くなく、地形図から推測し、行ってみて探すしかない。あるキャンプ地では

前触れなくいきなり絶滅危惧種のコキンチョウが池に降り立ち、騒然となった。

頭上のアシナガバチを気にするコキンチョウ。

数の少ないムナジロシマコキンも。この池は干上がるまであと数日、といった規模だったが連日多くの野鳥が訪れ調査員達を楽しませてくれた。今後殿堂入りのキャンプ地とする。

ムナジロシマコキンのペア。ちなみに、わずか数ヶ月前の臨時調査の時に使った野営地のほとんどはその後の雨で植物が生い茂り使用不可になっていた。私の地図にはマウントアイザ地区の相当数のそうした過去利用した野営地が記録されており、全く五里霧中でその日のキャンプ地を探しているわけではない。数台の車の意思決定をする者としてはそうでなければ経験不足と言える。

逆光でよく見えず、撮っているときは小さなクロムネトビだと思ったが写真を見てみればアカヒメクマタカの黒色型だった。
セスジムシクイの方はその後も各地で当たり前のように見つかり続け、しまいには走行中道路脇からも飛び出してくるような始末になり毎日充実してコキンチョウキャンプに戻る(ここは二連泊し、後日その情報を元にC班も利用した)。

そこには毎朝夕コキンチョウが来ていた。これはオスとメス。

これは赤型のオス。赤のオスはやはり目を見張る存在感がある。

赤型のオスと黒型のメスのコンビ。ちなみにまだ嘴に給餌マークの残る、巣立ったばかりと思われる幼鳥を二箇所で確認し、この水場を中心にしてコキンチョウが繁殖していることがほぼ決定的になった。

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