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カモノハシとは

カモノハシ
カモノハシは、一言で言うと非常に変わった動物です。一応哺乳類に属し、大きくは私たちヒトやネコ、クマ、ヤギなどど同じグループという事になりますが他の哺乳類にはまず見られない特徴を複数備えています。


カモノハシは現在地球に生息する数多くの哺乳類の中で最も原始的なグループ単孔類に属し、おそらく三畳紀(恐竜時代)から現在とそれほど変わらない体の機能を持っていたと考えられています。当時、カモノハシと同様の機能を持っていた動物達は気候の変化や大陸移動、哺乳類の別グループの出現などによって絶滅していったにもかかわらずカモノハシは生き続け、非常に古い段階の哺乳類の特徴を残しています。恐竜を絶滅に追いやった地球の大きな変化のときも、カモノハシは地味に生き残って来たわけです。この現在まで。特に進化する必要もなく生きてこられたので、三畳紀に持って生まれた身体のまま現在に生き残り、他の哺乳類とはずいぶんとかけ離れた生き物となっています。
1 卵で生まれる
 地中の巣穴で出産します。ふ化したら、授乳して子育てします
2 毒をもっている
 オスの後ろ足付け根の当たりに蹴爪があります。メスは成長とともの蹴爪が退化して行きます。
3 くちばし的なものがある
 やわらかいんですけど。
4 恒温性が不完全
 体温は低く33℃くらい。他の哺乳類ほど、体温を一定に保つ機能がない。
5 交尾/産卵と排泄を同じ穴を使って行なう
 穴が一つしかないので単孔類、と呼ばれます。
6 他の生物が出す電気信号のようなものを水中にいるときは受信している
 水中では視覚の補助として(耳は閉じている)他生物の神経信号等を受信して危険回避、補食をします。食べ物はエビやミミズ、ヤゴなど。
7 水中/地中/陸上 などいろいろな環境で生活する
 水かきもあり、穴掘り用の爪もあり。
8 乳頭がない
 母乳は乳頭を経由せず、直接皮膚を通じて腕の付け根の辺りから分泌される。


カモノハシ、といわれて全く聞いた事がないという人が少ないように、世界中でかなり高い知名度を持っていますが生息しているのはオーストラリア東海岸および幾つかの島のみで、オーストラリア以外では動物園でも全く見る事が出来ません。日本で行なわれた万博「愛地球博」で、オーストラリア館のメインがカモノハシでしたが、そのような場ですら実物が飼育/展示される事はありませんでした。理科の教科書にも出てきますし、非常に有名な動物でありながら実際に見た事がある人がとても少ないのもそういった理由から来ていて、オーストラリアでは国の名物として20セントコインやオリンピックのときのマスコットにも使われています。カモノハシ、は和名ですが英語ではラテン語由来のplatypus、です。
ケアンズではそんなカモノハシを探しに行こう!という動物ツアーがいくつもあるのでそれに参加すればかなり高い確率で見る事が出来ます。ここであんまり詳しくカモノハシについて紹介するとそういったツアーのガイドさんが困ってしまうと思うのでこれくらいにしておきます。
ツアーに参加しなくても、実績のある場所で辛抱強く待っていれば大体の場合見つかりますよ。数的には珍しい動物ではありません。頑張ってみて下さい。私は、誰でも行く事が出来る公園の中を流れる幅1mほどの用水路で、カモノハシと並んで50m位一緒に歩いた事もあります。大きな声では言えませんが、捕まえた事もあります。
基本的に日中はあまり活動せず土の中に潜っているので夕方や早朝がチャンスです。
もっとカモノハシの写真あります。こちらもどうぞ。
学名:Ornithorhynchus anatinus
英名:Platypus
和名:カモノハシ

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