仮にケアンズ近郊にいる種をキタフクロムササビと呼ぶとして、私は10年ほど前Bush Heritageが所有する保護区にてグラハム博士とブライアン、カインウィンにキタフクロムササビを見せてもらい種そのもの及びそれが暮らしているユーカリとアイアンバークの高木が織りなす美しい環境に一発で魅了された。この調査は後継者問題に悩んでいたようだけど、当時は恐れ多くて手を挙げられなかった。
一方でジョンウインター博士はこのキタフクロムササビのモニタリングを2009年から僻地で続けてきたけれども、次の世代にそれを渡すことを決断されたようです。今度は私は手をあげジョンウインター博士が率いてきたモニタリングを継承させていただくことになった。博士号などを持たない非英語ネイティブの私がそういったポジションにつけたのはひたすら積み上げたフィールドでの実績と、そして多くの知人達の推薦があっての事。オーストラリア人パートナーがいる(いた)わけでもない純日本人の青年が、よくこんな遠くまで来たものだ。
巣穴から顔を出すキタフクロムササビ。