Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

キタフクロムササビ調査2022

前泊や後泊を加えるとちょうど2週間行っていたパースから戻ったその日から貸切バスの方の仕事を4本やり、1日休んだら次はボランティアでキタフクロムササビの調査のため三日間留守にするというスケジュール。それが終わり次第また10日間連続のツアーという状況で身体は疲れ切っており、正直やりたくなかったが一応私が調査の責任者となっており出かけるしかなかった。
国立公園内のレンジャー居住地
近くにまともな町がない僻地の国立公園などではレンジャーは住み込みで管理を行なっていたり、もしくは数日おきに巡回でやってきて作業を行うような宿泊棟(写真)があることが多い。キタフクロムササビ調査チームはそんな一軒家を昔から使わせてもらっている。ただ近いうちに一名のレンジャーをほぼ駐在させる計画があるらしく来年からはキャンプになるかも、と言われている。


家に入ると、知り合いの女性レンジャーからキタフクロムササビ調査チーム宛に書き置きが置いてあった。こういうイラストがさっと描ける人って羨ましい。

昼間のうちに色々な準備を終え、早めの夕食を済ませた後は早速キタフクロムササビを探しに出発。新体制となって初の調査だ。ところが最初の調査地では1匹も見つけられず「何これ、やばくない?」と焦り出した頃


どうにか今シーズン1匹目のキタフクロムササビ登場。やれやれ。このまま見つからなかったらジョンウィンター博士が心臓発作を起こすところだった。1匹目以降は昨年と同じような頻度で発見が続き、とりあえず第一夜を無事に終えることができた。宿に戻ったのは午前1時ごろ。それから機材を片付け、順番にシャワーを浴びたりしたわけで私は「明日朝は自由行動。早くから起きないから」とはっきり伝えてあったのに自然観察好きメンバーは総じて早起きだ。翌朝9時ごろには「おい大丈夫か?」と起こされた。起きないと言ってるだろ!疲れているのでせめて8時間くらい寝させてくれ。


午後は調査地にある泉にみんなで出かけた。調査メンバーには爬虫類の専門家、蝶の専門家、ユーカリの専門家などがおりいろいろ学ぶことが多い。このオレンジリングレットという鳥にはフクロウだかアライグマだかが笑ってこちらを見ているような気がする。


やっぱり顔がこちらを見てるよな。


二日目の晩は前夜よりもハイペースでキタフクロムササビが見つかっていく。


新体制になって発見数がガクッと落ちた、なんてことにならなくてよかったよ。


結局2晩で合計49匹のキタフクロムササビを発見することができた。フクロムササビはオーストラリア連邦の絶滅危惧種であり、それが約50匹見つかるということはすごいことだと思う。ポッサムだって50匹見つけろと言われたら簡単じゃないでしょ。

帽子を忘れたので途中のガソリンスタンドで買った変な帽子をかぶっている私。すぐツアーが始まるので二泊三日で撤収させてもらったけど、残る3名はもう一晩調査をする予定で残った。しかし結果として夕暮れごろから大嵐になり落雷も収まらず調査ができずに翌朝撤収したということだ。また来年よろしく。

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