Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

【ニシキバラヒタキ】パース探鳥記9

スターリング山脈

オーストラリア大陸は地球で最も平坦な土地であり、ちょっと山塊があるだけで「おー山だ山だ!」となる。もちろん遠景は国立公園。
この空の広い事と青い事。街での暮らしなんて何とちっぽけな、と思う。




ドライアンドラで声だけを聞いていた西オーストラリアの固有種ニシキバラヒタキをこのあたりで立て続けに見る事が出来た。ヒガシキバラヒタキの色違い。

ニシキバラヒタキを背中側から。なかなかいい色合いの小鳥。

人が来ると最初逃げるが、じっとしているとじわじわ近づいてくる辺りもヒガシキバラヒタキの行動によく似ている。


キイロオクロオウムがいるかもしれないと聞いていたトレイルにて、若いココノエインコがモクマオウのような木に来ていた。これも固有種。


またオグロインコも何度か見かけた。オグロインコは昨年のアデレード発メルボルン旅行で沢山撮ったけどそれとは異なる西オーストラリア固有亜種anthopeplusになるのでポイントは高い。


あと地味な所で固有種のニシトゲハシムシクイ。2ポイント…。


事前調査通り、夕方になるとこの付近の道路にはアスファルトに落ちた種子を啄みにくる各種インコを沢山見た。写真はワカバインコの群れ。車で走っているとこういった各種インコを蹴散らしながら走る事になる。


一面の美しいヒース。空気の透明感、空の清浄さが途方も無い。


しかし誰もいませんねぇ。


遠くに写っているこの山は日本の著名な女性登山家の田部井淳子さんが「ちょっと散歩に。簡単簡単」的な感じで登って帰ってきて「年齢を考えれば怪物」とオージー達がたまげたそうだ。


オーストラリアの地方の宿は広い。途方も無く家のように広い。今回は毎日のように移動しながら様々な宿に泊まり、宿も旅の大きな楽しみの1つになっていた。こういうのに馴れると無個性で狭い都市部の宿が嫌になる。宿の人にから観察が難しい事で知られるシラヒゲドリの情報を聞いて出かけてみたら…


え?あそこ?あれを登るの?普通に山岳じゃん。せっかくなので険しい登山道を途中まで行ってみたが…


これはバードウォッチャーじゃなくて登山者の来るところじゃないのか?確かにシラヒゲドリが鳴いているが周囲の垂直の岩壁に沢山ロッククライマーのチョークの跡が残っている。あちこちにハーケンが打ってある。バードウォッチャーとはこれほどまでに狂気を伴うのか。


私達は早々に苦笑してこの狂った探鳥地を切り上げ、大岩の上から神聖な夕暮れを楽しんだ。まあ何という雄大で崇高な自然だろう。人間が日常している事なんて何と微細な事だろうと思わされる。
下山を始めもう少しで車を停めてある所、というとこまで来た際に登山道を左から右へ横切って飛んでいった鳥がいた。それがシラヒゲドリだった。はっは。

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