Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

野生ペンギン探しなど:カンガルー島旅行記

ルリオーストラリアムシクイ
今日は日没とともに、海から上陸してくるペンギンを探しにいく予定。それに備えて少し昼寝をしようと一旦宿に戻り車を止めるとミラーに可愛いお客様が。



まず鏡で自らの美しさをチェック。

「鏡よ鏡。」

ついでに車内に不審物がないかチェック。

メスはワイパーを難しい顔でチェック。

樹上では仲良く眠るアカビタイムジオウム。平和だ。のびのび生きてるなぁ。
夕方、レンタカーでハンソンベイを目指して出発。「夜間の運転は極力避けるように」言われてたけど仕方ない。あ、ペンギン探しといってもツアーでもなんでもない単独行です。オーストラリア南部各地で行なわれているコビトペンギン観察ツアーは撮影厳禁。移動も厳禁で、そこまではいいんだけど「ペンギンS席 ?$、一般席?$」とかなっててかなり引く。そもそも、私がオーストラリアに行こうと決めたのもNHKでこのペンギンパレードのドキュメンタリーを見て感動したから。
日没とともに、餌探しを終えて上陸してくると言うコビトペンギン達。未舗装道路をゆっくり走っていると、巣穴っぽいくぼみを幾つか見つけ、50m程はなれた岩場に腰を下ろした。日没とともに一気に寒くなり、魔法瓶に入れて来たお湯でカップ麺を作りながらじっと待つ。自分自身が闇に解けていきそうな程、音と光のない世界。だんだん自分自身と、外の世界の境界がわからなくなってくる。
ふー。来ないなぁ。警戒されているのかな。場所が悪いのかな、と思ってたら、腰を下ろしていた岩の下から
「ぐぅ??。キュ! ぐぅ??。キュ!」と声がしてコペンギンがよちよち顔を出した。(うわ?)
しばらくすると、暗闇の海岸線からはっきりとは見えないけどぱらぱらと親ペンギン達が上陸して来た。どうも、私は彼らの上陸ルートに座り込んでいたようだ。動くに動けなくなって周りをどんどんペンギン達がとことこ歩いて行くのじっと我慢する。野生ペンギンの行進に囲まれ、現実とは思えないような光景だ。
フラッシュは厳禁なので、動物の目を保護する赤いカバーをしたスポットライトでそっと照らしてみる。反応はない。カメラのISOを禁断の1600まで上げ、絞りは解放のF2.8。450mm相当の望遠単焦点+レンズシフト式光学手ぶれ補正。スポットライトの赤色光線を中和するようホワイトバランスは「電球」にし、大地に腹這いになって何枚か撮った。コンパクトデジカメでは残念だけど絶対この条件では撮れないぞ。

寒くてかじかむ中、海辺で出会ったコビトペンギン達。ありがとう。感動した。
満たされた気持ちで宿まで戻ろうとするけど、これは今思い出しても恐ろしいドライブだった。右から左から、黒カンガルーやらフクロギツネやらフサオネズミカンガルー、ヤブワラビーが車のライト目指して突っ込んでくる。ケアンズ郊外でももちろんあるけど、数が違う。ひっきりなしに何かが飛び込んでくる。そして街灯なんて一つもないから真の闇の中だ。避けシロを稼ぐ為にセンターラインをまたいで走行。
なんとか誰も犠牲にせず宿まで戻った時は疲労困憊していた。
この旅行記を参考にする人は気をつけて下さい。ペンギンはおとなしくペネショーで行なわれてるペンギンツアーにいった方がいいかもです。
※カンガルー島の旅行記はこれ以外にも全部で17ページあります。見出し一覧はこちらです。(新しいものが上に来るようになっています)

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