Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

アデレード発メルボルン行き探鳥記 旅の始まり

ケアンズを離陸してしばらくして。
双眼鏡を忘れた
事に気がついた。
いや、自分のスワロは肌身離さないんだけどアデレードで合流する友人の分の双眼鏡。。。バードウォッチングで双眼鏡なしなんてあり得んだろうということでアデレード到着後真っ先にタクシーを飛ばして光学機器店へ。何事でも「どうせ買うのなら愛着を持てる、それなりにいい品を」というポリシーなので数百ドルの予定外の支出になった。自宅には双眼鏡はサイズ別にいくつもあるが、まぁ忘れたのは自分なのだからしょうがない。


アデレード空港のタクシー乗り場にはケアンズを含むオーストラリア北部中部では全く見かける事もない、背広の人達が大勢タクシーを待っていた。何の気なしに後ろから見ていると、スーツ達は皆態度がとても偉そうだ。持て、さっさと開けろ、みたいな感じでアゴで指図。完全に見下して家来だと思っているような感じで日本以外で久しぶりにああいうのを見た。私が乗ったタクシーの運転手は「コーヒーを飲みながら運転しても構わないでしょうか」といきなり尋ねてきた。そんな事を了承をとらなくていいから好きにしなよというと「おお、貴方は大変優しいです」といわれた。まるで外国に来ているようなショックだった。ケアンズのタクシードライバー(短パン)を見てみろ。アゴで「それを持て」なんてやったらキレてぶん殴られるぞ。野蛮な田舎から都会に来たのである。
(知人は「クリケットなんて何が面白いんだ?」とケアンズでタクシードライバーに言ったところ、「国へ帰れ、この野郎!」といって車から降ろされかけた経験がある)
双眼鏡を買って空港に戻る頃、最後の一人がアデレードに到着。レンタカーを受け取って出発。宿泊まりなら全然違うのだけど今回はキャンプなので荷物が多い。Rav4はXtrailに比べて荷物が載らないので工夫して何とか積む。ツアーガイドを何年もして見てきた事だけども、アウトドア出身者は荷物が少なくまとめるのが上手い。10日間の旅行というだけでスーツケースいっぱいで20kgという人も多いが、逆にいかに荷物をコンパクトに軽くしようと工夫する事に快楽を見いだす人もけっこう多い。
いつもそうしているように山地図を入れたガーミンGPSを簡易カーナビとして出発したら車の移動速度にGPSの表示が追いついてこない。道路やら建物やらが多過ぎて…山地図を入れていると都市部ではこういう事になってしまう。シドニー中心部も高層ビルが多過ぎてGPSシグナルの受信に苦労したがあのときは徒歩だったから。
バタバタしながら中心部を抜け、郊外になってきてようやく一息ついた。車窓に人工物が減っていく速度と、幸福感の上昇が反比例していく。キャンプなので明るいうちに野営地に到着したいので急ぐ。途中キクサインコが道路脇にわさわさ居たりしたが素通り。買い出しをして未舗装道路を走り目的の野営地についたのは普通なら日が沈んでいてもおかしくない19時頃だったと思う。しかしアデレードのような緯度の高い地域はまだまだ明るく助かる。
夜間かなり冷え込み、翌朝起床してmaxの暖かな格好でテントから出る。まだヒゲナシヨタカも鳴いているような明け方。冷たい空気と広い空が迎えてくれる。
さあ始まりだ。


Exit mobile version