Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

シドニー二度目の旅行記 五日目

テリクロオウム昨日から部屋干ししていた洗濯物を詰めて出発。体調は回復。一方の天候は悪化し完全な雨と強風になった。こうもどこへ移動しても連日ひたすら悪天候が続くとしらけてしまう。氷雨、横殴りの凍える暴風雨、一転真夏日、雹嵐、烈風、豪雨…。標高の高い山の上で雨が降り風が吹くと悲劇である。あまりに今回こういう状況が多いので、喜劇でもある。写真を撮りたいのに惨劇である。
予定を変更して、山の反対(内陸)側に降りてみることにした。雨の時は大分水嶺山脈の裏側へ避難、というのはオーストラリア大陸東海岸全域を通じて一定の効果がある。多少小降りになった。なんと途中でテリクロオウムの小群がばっちり見られた。分布域は広いけどどこへ行っても難しいオウムだからうれしい。この旅に相応しい、何とも暗く寒々しい構図のところにいるじゃないか。


コシアカアレチムシクイ。くそー葉っぱが1枚じゃまだ!でも一昨日よりだいぶましに撮れた。

野生のサクラスズメの若。さあ乗ってきた、移動して成功か?と書きたいところだけど雨も追いついてきた。

←ネットで配布されていたサクラスズメのアイコン。


枯れ木の写真。
ではない。
よーく見ると3カ所に黄緑の点が。
インコである。全く冗談のような美しさ。暗澹とした天候と立ち枯れた老木。そこで羽を休めるこの世のものとは思えぬ色彩の小さな生命体達。それは夢想的に対極に空間を歪めていた。これが本当の「枯れ木に花が咲いた」状態だ。この瞬間の峻烈で鮮やかな美を忘れることはないだろう。何度見ても、ウソのような存在感。

なんか知らない声がしていたので探していると向こうから様子を見に来た。近い!チャガシラハチマキミツスイだ。なんと初見初撮りが最短撮影距離となった。そうそうあることではない。
その興奮醒めやらぬうちに、ノドグロハチマキミツスイ。これも分布はかなり広いけどどこへいっても不安定であまり見ない鳥。ケアンズ付近のとは別亜種。別種とすることもある。まぁ見た感じ全然違うし。

アカハラモズヒタキの雌も様子を見に来た。まぁ、全国でおなじみだけど、ただ何となく。ずいぶん美人だなと。
ヒキガエルが草むらでブーブー鳴いているな、雨だねぇと思って別に気にもせずずかずか歩いていったらササフミフウズラが飛び出していった。しまったーそういえばそうだった…。ササフはちょっと頭になかったワ。惜しいことをした。


オオキンカチョウが長い草をくわえて見せたり、伸びたり縮んだりして求愛行動をしていたが失敗に終わった。その後、なぜかカノコスズメ達に囲まれて当惑していた。カノコスズメが魅了されたのだろうか。
気を取り直して腹ごしらえを。しかし、大キンカチョウは野生でもあの「あぇ??」という声で鳴くのである。当たり前だけど。
とかやっているうちに雨が強くなり、更に霧がでて来てなにも見えなくなる。強制終了。前が見えない。
雨あられ烈風氷雨真夏日に続いて濃霧ですか。もう何でもいいですよ。
視界がない中のろのろ運転して、適当に一番近くのレストエリアに車を滑り込ませた。

レストエリアには夜を明かしていいところとダメなところがあって事前に調べておかないといけないのだけど、霧で前が見えず運転できないことと先に二台の車が来ていて寝ている様子だったので私もそうすることに。
一晩中、雨が車の屋根を不規則に変拍子に有機的にたたいていた。

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