Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

クィーンズランド州北西部探鳥1

クィーンズランド州北西部、ノーザンテリトリー準州との州境付近でセキセイインコが大発生しているという全国ニュースがあり企画された。メンバーはいつものchiemomoさんとその知人の知人で日本から来たO君の3人。西部の乾燥地帯(アウトバック)はとんでもなく暑い所なので本来この時期(11月)に行くべき所ではないのだけど、「空を埋め尽くしている」というセキセイインコの大群はもう次の機会は無いかもしれないという事で強行。


早朝、3人を乗せた車はケアンズを出発。目的地は1300kmくらい彼方なので本来飛行機で行く距離だけど全員時間はあってもお金がないので車で。3時間走ってタイトー湿地でトイレ休憩と運転手交替。まだ朝方なので湿地の周りにはいろいろな小鳥が飛んでいる。オーストラリアに初めて来たO君が「ちょっと歩いてきていいですか?」と聞いたけど「ダメだ」と非情な二人。目的地は遥か彼方なのだ。途中の探鳥地を全てすっ飛ばして車は進む。可哀想に。ひたすら走ってチャーターズタワーまで来た。もちろんタウンズビルコモンやロスリバーダムも素通り。チャーターズタワーも探鳥地かつオオコウモリの巨大なコロニーがあるけれども昼食をとって運転手交替したくらいでどんどん内陸へ。更に3時間進んだところにある野池で今回初めて少し探鳥。ケアンズではめっきり近年見かけなくなったナンキンオシが40羽くらいいる。しかし、滅多に人が来ない池らしく車で近づいただけでばっさばっさ逃げる。降りての探鳥は断念。後で知ったけどここではオオチドリが出ていたらしい。カモやアジサシも多く、O君も元気になった。
恐竜の化石地帯で有名なヒューヘンデンやリッチモンドでは町のあちこちにあまり巧くない造形のモニュメントが建っていたけど、帰路の時、一生忘れない位強烈なイラストを施した車にこのあたりで出会う事になる。私は助手席で熟睡していたのだけど、その間に今日の野営予定地を通り過ぎてしまったらしい。辺りはもう日没間近。給油しながら作戦会議。外に出て驚いたけど、熱気が凄い。とても間もなく夜になる時間の空気とは思えない。これは日中は大変な事になるだろう。
さて、我々は節約のため全部キャンプの予定かつ、キャンプ場でもない所(無料で野営できる所)希望。知らない土地での夜間の移動は避けたいし暗くなってからのキャンプの設営も面倒になるのだけど、もろもろを検討した結果。移動を再開。動物の道路への飛び込みを警戒する為、基本のセンターラインまたぎ走行。でも何も出なかった。頑張って走ってマウントアイザ直前まで到達した所で野営。14時間かけてケアンズから1000km位をほとんどノンストップで走ってきた事になる。これで明日以降ぐっと楽になった。あっとうまに3張りのテントを建て食事を作り、少しゆっくり語らっていると遠くからエンジン音と強力なサーチライトが。多分ここでキャンプをしてもいいのだろう、という状態の中だったので「パトロールか何かか」と緊張してすぐに全ての灯りを消したけど、双眼鏡で見て見るとボートに乗って岸沿いを執拗に照らして何か探している。特にこちらには来そうになかったので安心して就寝(クィーンズランド州では許可された場所以外でのキャンプや車中泊は見つかると罰金$500。少し前までは$150だった。ちなみに、後日調べたらここはやはりキャンプしてもいい所だった)でも彼らは何をしているんだろうか。
明日はセキセイインコの大群に会えるはずだ。

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