ビセイインコはむしろ街中にこそ多い。
二ヶ月続けてメルボルンへ。5月にもなると秋も進み、夕暮れ時には熱帯のケアンズにはない物悲しさが満ちている。寒い暗い工場地帯の食堂で一人で夕食をとってていたら死にたくなってきたので早々に都心を脱出することにする。一番近くの人間が住む集落まで200km、今月に入ってほとんど言葉を発していないな、といったアウトバックの僻地にいても普段何も寂しさなど感じないが、それはその環境が豊かだからである。
オーストラリアのカントリーソングの名曲、A Bushman Can’t Surviveを知っているだろうか?オーストラリアの美しい自然を讃え都会では生きていけないなと歌う。私は狭苦しく動物のいない汚い都市だけじゃなくて、寒いところでも生き残れない。
ニューサウスウェールズ州では農地にどさっと集まっている印象のミナミコワタリガラスだが、メルボルンでは街中で生きている。
ムナフトゲハシムシクイ。込み入った都心を抜け少し走ればすぐに自然が広がる。メルボルンの道路は比較的走りやすく、そこはブリスベンやシドニーとは大きな差だ。平野に囲まれているためどこまでも都市圏が拡大できるメルボルンの人口はすでに約450万人に達し、長年オーストラリアの最大都市だったシドニーを完全に射程にとらえている。
キバラモズヒタキの亜種pectorals。ケアンズで見る亜種とはかなり違う。
ホウセキドリも完璧に見られた。彼らも亜種punctuatesで別亜種。このあたりは小鳥の宝庫で実に忙しく、楽しい!
フタイロヒタキは頭の形が面白い。
フタイロヒタキとヒメフタイロヒタキは、どの図鑑をあなたが使っているかによって扱いが違う。ジョージタウンにいるのは一体どっちなのだ。
ルリオーストラリアムシクイはオーストラリア中部や南部のスター。何度見てもカメラが向けられる。
オーストラリアの赤いヒタキ群の筆頭、サンショクヒタキもすごい。
この日は雨と風で大荒れのメルボルン郊外。小鳥はほとんど声で先に見るけるから強風は困る。チャガシラハチマキミツスイも雨の中なんとか。
ここであえてイエスズメを載せるのは、後日紹介するある鳥への布石。
移入種だが、ホシムクドリはめちゃくちゃ美しい。
※これを書いている9月17日、カンタス航空が成田メルボルン路線に2016年12月から毎日就航するとの知らせが入った。すでに存在しているジェットスター航空(LCC)が苦手な人も、世界一安全な航空会社カンタス航空にて安心してメルボルンに毎日飛ぶことができる。