Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

クィーンズランド州駆け足縦断4 「移動とオオコウモリな日」

ヒメキスジミツスイだけを狙うぞ!と気合いを入れて起きたらまたしても雨。今回はどうも巡り合わせが良くないようだ。ユンゲラに来る事はもともとの予定に無かったので調べておらず、どこでヒメキスジミツスイを探せば良いかいまいちクリアなイメージが無い。ミツスイ、として街路樹や花壇なのか、近縁種のキスジミツスイのように熱帯雨林の中なのか。とりあえず雨の中キャラバンパークの周りを探って見るがいない。レンジャー事務所に行って情報を集める事に。


もちろん、これまでの数多くの経験からあまり期待はしてなかったけどね。ヒメキスジミツスイは英語でユンゲラハニーイーターという。ユンゲラの熱帯雨林にしかいないということは、この一帯の環境を語る上でのキーストーン種であり、ユンゲラの象徴種(flagship species)であり危急種(vulnerable specie)である。ユンゲラ国立公園を管轄/情報提供するレンジャーなら、日々「ユンゲラハニーイーターはどこだ!」という質問をよく受けていそうな気もするんだけど現実は、
「ええー分からないよそんな事」
ときたもんだ。しかも二人。ちょっと勉強不足な気がしますよ。
奥にいた一人が、「?トレッキングコースの始まりの辺りで見たと言う話を一年くらい前に聞いた事があるなぁ」とかなり信憑性は薄い情報をくれた。ただ、「この天候で山に入るのは止めた方がいい」と。もちろん行ってみたけど何にもいない。まぁこの雨では。その後別の場所へ移動。タイムリミットは9時。あと一時間、あと残り20分、あと4分…ドラマは起きなかった。また今度時間がある時だね。
オーストラリアオオコウモリの塒があった。びしょ濡れ。

クロオオコウモリはもう少し高い場所を占拠。
森から出て来て、バスを止めてある所まで道路を歩いていると何か変なものが。
ひどい天気、じゃなくてほら、なんか低いとこにからまってる。

有刺鉄線に引っかかったか?

「何か用?」
あ、いえ、ご無事ならいいんです。

すぐ近くにコロニーがあって大きな声もしているのに、群れを嫌う個体もいるのかもしれない。見れば見る程不思議な生き物だ。

ユンゲラを経由したため、更に時間がタイトになって来たのでそこからはひたすら移動。ずーっと運転。車窓からエミュー、ディンゴ(生体x1 轢死体x1)。ガソリンスタンドの価格が変わり始めた。ケアンズだとディーゼルの方がレギュラーより随分高めなのだが、この辺りまで来るとほぼ同じ価格もしくはディーゼルの方が安くなって来た。この傾向はもっと南、ブリスベンやゴールドコーストの辺りまで行っても同じだった。なぜケアンズはディーゼルが高いのだろう。ちなみに、今回の遠征中ガソリン価格が一番安かったのはタウンズビル付近である。
トイレ休憩で止まったロックハンプトンのインフォメーションセンター中庭にケージがあってキバタン二羽とアカビが一羽飼育されていた。前を通る人達にハローハローいったり、金網の隙間から足を伸ばして来て人々と握手したりサービスを振りまいていた。このケージのおこぼれを狙って、沢山の野鳥が来ていた。クロガオミツスイ、カノコバト辺りはわかるとしてもハイイロツチスドリやカザリリュウキュウガモの群れ、野生版のキバタンとか。間違ってケージに仕舞われるなよ。「あれ?キバタンって三羽いたっけ?」「前からでしょ」みたいに。…いや、待てよ!今思い出したけどケージには3羽入ってるけど名札は二つしか無かったけどまさか?
ここでおこぼれを狙う鳥達のルールは『カゴの周囲を半時計回りに回りながらおこぼれをチェックする』と決まっているようで、時々新人が来て時計回りに歩いて常連達と激突しては怒られ、追い出されていた。

グラッドストーン付近まで今日は600km移動して終了。今日は48時間まで滞在が出来る無料レストエリア(キャンプしてもいいですよ、という更地。トイレだけはあった)が宿。川を見下ろす高台にあってなかなかいい所だ。もう少し蚊さえ少なければ。肝心のユンゲラの時は雨だったのに、ひたすら移動した夕方までとてもいい天気だったのが悔しい。でも星が奇麗だ。

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