Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

アイアンレンジ旅行記ー4?5日目

ブチクスクスクックスハットキャンプエリアがすごい人達に占拠されてしまい、夜の動物探しは道路に出て行なった。それでもちゃんとブチクスクスを発見。これで到着以来3晩連続。クスクス遭遇率100%。フル装備の動物ガイドが二人だもん。
キャンプエリアに戻ると宴が続いた。というよりは遠くからでも聞こえたけど。あれだけのキャンプを設営し、幼児3人を連れて一泊だけってことはないよね。明日は早めに脱出しよう、と寝袋に潜り込んだ。また掃除機をかけている音がした。きっと掃除は二時間おきだ。


翌朝、計画通りに初日に歩いた森の中へのウォーキングコースへ。

ケアンズ周辺で見るアカメテリカッコウのここらへん特有の色味で首元が赤みがかっている。結構派手。

しかし、どうも鳥の出が芳しくない中、主戦場の枯れ木までやって来た。とても高い枯れ木。パロネラパークのカウリパインが高さ50mというけどそれよりも遥かに背が高いので60m以上あるんじゃないか。ここはオオハナインコのピンポイントとして有名みたい。アイアンレンジ国立公園レンジャーのとこの情報でも「例のオオハナインコの木」として扱われてたし、毎日のようにどこかですれ違ったりしてる休暇中の例のオージーのバーダーもここで見たと言っていた。初日に我々がここを通った時はてっぺんにオオハナインコ♂とイチジクインコがいた。そして今日は何もいないんだけど(汗)鞄をおろしてちょっと待ってみる事に。
…。どれくらい待ったっけ。
誰も来ませんねぇ(笑)
でもよーく見ると、初日に見た場所と同じ枝に同じ変な角度でイチジクインコがぶら下がっている。強い逆光で、頭上60mで、オーストラリアで最小のインコ、イチジクインコが相手で、あんなの撮れんぞ、といいいながら何枚か。肉眼(双眼鏡)では見えなかったけど写真を拡大してみると、枝の中からもう1羽が頭を出していた。イチジクインコもケアンズ周辺でみる青系の厚化粧をした奴ではなくかなり頭が赤っぽい。そんな予習もしてこなかったので「アオカオインコ?」と恥ずかしながら口走ってしまった。
逆さまになっててなかなか可愛い。
そのうちにオオハナインコも飛来。やっぱりすごく高い所にしか止まらないみたい。色を塗り替えたらそのまま猛禽で通用しそうだ。

ツーショット。緑がオス、赤がメス。
ウォーキングコースの終点まで歩いて、Uターン。初日は別の方から帰ってきたけどあまり実りがなかったので。でも、ウォーキングコースも帰路は沈黙。なんだかなぁ。真夏ならいざ知らず、午前中の早い時間にはアイアンレンジの鳥さん達はすっかり沈黙してしまう。声は何度も聞いているキバシショウビンなんて、日の出後15分くらいしか活動してないんじゃないか。
仕方ないので虫を撮りながら帰る。

もう虫の息でした。

ウォーキングコース往復で約10kmということだから健康的な毎日だ。誰にも会わないし、森の中で息をしているだけで嬉しくなる。テントまで戻ってくると、おお?
おおおお?
誰もいなくなってる!昨日の夕方にやって来て、なんかの催し物本部か?という巨大キャンプを築いた連中が見事に消えていた。そもそも彼らは何しにきたんだろう…。ちびっ子連れで、快適なオール電化スーパーキャンプをしたいなら(何の為だろう…)レイクティナルーとか、はたまたケアンズ市内にあるネオンがピカピカ遊園地化してきたキャンプ場、ココナッツキャラバンパークにいればいいんだよ。大陸最果て近くの国立公園の森の中のキャンプ地では、ここにしかいない生き物を探して静かに過ごしたい人がいるのだよ。何か間違ってるかなぁ?
人がいないと野鳥が活発になるのは昨日体験済み。キャンプエリアの真ん中にある木の高い所を、見慣れないムシクイがちょろちょろして何か虫をついばんでいる。うーん何ムシクイだろう?ムシクイにもここら辺の固有種がいたっけ。とやっていると「メジロミツスイ(固有種)のはずですよ」と。ほぇー本当だ。「あと、ここら辺のヤブツカツクリは首が白いはずです」ほぇー本当だ。いかんいかん、全然だめだ、次の遠征時はちゃんと予習して行こう。
見た目はムシクイのメジロミツスイ。虫も食べてたし。

黄色い肉垂れがいないヤブツカツクリ。我々が剃ってしまったなんて事はきっとありません。

いやー誰もいないクックスハットキャンプエリアはいいね?。と満喫。また昨日みたいにサーカス一座みたいなのが来ないといいなぁ。今朝、chiemomoさんがタイパンらしき超毒蛇を見てるから、キャンプエリア入り口に ”危険!タイパンが出没しました”と掲示しておいたら誰も入ってこないよね。本当の事だし。と相談。
さすがに昼下がりの不毛の時間は鳥もいなくなってきたので、ソーラーパネルでスポットライト用バッテリーの充電をしつつロックハートという最寄りの集落へ車で出かけて見る。結果から言うと、一度もシャッターに指がかかるどころか車からも降りず。ゴミ、ゴミ、ゴミ。町中ゴミだらけだ。雑貨店があるようだから甘いものでも補給しようかな、と思ってたけどこのゴミに埋まった集落を見たらそんな気もなくなった。あれなら、いや、もう止めておこう。もう止めよう。ロックハートの村は始めから見なかった事にしよう。小さな空港の横には、ピカピカの宿泊施設が完成していた。本で見た奴だ。エアコン、食事、セルフコンテイン、洗濯付き。このままオートキャンパーが増加を続けたらいずれリッジスアイアンレンジ、ホリデーインアイアンレンジが着工されたりして。
キャンプエリアに戻ると、まだ誰もいない。期待して昨日は痛い目に会ったからなぁ。でももう夕暮れだし今から来る人いるかな。
chiemomoさんは散歩に出かけた。しばらくして、お茶を沸かしていると、やっぱり四駆がやって来た。あーあ。
しかし、退散して行った。
散歩から戻ってきたchiemomoさんが「今、1台追い出したでしょう?」と聞く。いえいえ。さようなことは。ちょっとサンニッパとスポットライトを持って車の周りをジョギングしただけですよ。
という事で、今夜はアイアンレンジ初の誰もいない夜。幸せ?。っていうか、毎晩こうだと思ってたんだけど…。

【この夜はまだ続く…】

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