Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

チラゴー キャンプ一泊二日 その3

たき火に見とれて遠い世界に暫く飛んでいたんだけど、「ぶげー」という頭上からの鳴き声ではっと我に返った。生き物探ししないと。オオコウモリが低く飛んでいる波動も感じる。しかし、ぶげーって何だったっけ?とライトで捜索すると、
オブトフクロモモンガ
おおフクロモモンガ…
違っ、明らかに大きく尾の先端が白っぽくない。(白っぽく見えるのは枝です)
オブトフクロモモンガだ!( Petaurus norfolcensis)


オブトフクロモモンガはクィーンズランド州北部では急減し珍種のはずだ。図鑑を開いて見ると「減少しており近年ではインガムで一度記録がある」となっていた。ここはインガムより更に何百キロか北だから価値のある目撃だろう。しかも同じ木に少なくとも2匹、もう一匹居たかもしれない。
あと、テニスボールくらいの大きさの何かが、赤く目を反射させつつ不規則な軌道で飛んでいたんだけど正体不明。
オグロワラビー(オグロイワワラビーではない)もパコーンと跳ねていったけど、フクロウ系の登場は無かった。
テントと寝袋に潜り込み穏やかな室内の空気にすぐまどろんだ。テントは10年程使った1人用の超コンパクトなやつはアイアンレンジ遠征を花道に引退し、2人用(緊急時は3人でも就寝可)の新型なので居心地がいい。なんと重量はほぼ同じだというから凄い。進歩するのはデジタルだけではない。朝方気温は随分下がったが、フリースを着て快適に寝た。私の寝袋は夏用のペラペラのやつだけど、寝袋は寝る時にしか使わないわけで、暖かい大きな重い寝袋を持つよりも薄い寝袋を持って服でカバーした方がいいと思っている。服は寝る時以外でも使える。【お知らせ:引退したテント、格安でお譲りします。床面に小さな穴はいくつかありますが90年代後半当時最新の軽量コンパクトモデルで、重量1kg前半A4サイズ】

翌朝、普通の時間に起きてドナ洞窟のガイドツアーに参加した。
写真は鍾乳石。成長が生んだ偶然。貴婦人の横顔。
サファリっぽい出で立ちや持ち物から、洞窟好きと誤解されたらしく、「君も海外からこの4階建て構造の鍾乳洞を見に来たんだろう?ここは雨でよく水没したそうじゃ無いか。そんな豊富な雨がある鍾乳洞にどんな自然の彫刻が刻まれて来たのか楽しみじゃないか?ここには話によると珪石が雪のように積もっていて…」と後ろからしゃべりかけ続けるお爺さんをどうしようか困った。




おおー。

でもやはり生き物の方がいい。
レンジャーは「Horseshoe Batだ」と繰り返していたが、そうではない。この距離で停止して確認できればDiadem Leaf-nosed Bat、学名hipposideros diadema(ハチマキカグラコウモリ)とわかる。
このイチゴの種のような小さな小さな目。
興奮してカメラを構える手が震える。

Exit mobile version