Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

クィーンズランド州北西部探鳥3

車窓の眺め
町を出発し内陸を目指す。途中の景色は100km以上ずっとこんな感じでいかんともし難い。木がないのは見慣れているけど、あり塚も無く、何も無い事がとても違和感がある。自分自身の存在も曖昧になってくる気がした。他に物があるからこそ、他ではないもの=自分なのに、地平線まで何もない所では自己との境界線がぼやけてくる。全てが幻のように感じるわけだ。


エミューっぽい場所にエミュー。
この前後でなんかインコっぽいのが一羽、地面から飛んで行ったんだけど…まさかヒメフクロウインコ?

ラクダも。

道路にショウキバトがのこのこ。その妖怪アンテナは…

村に近づいてきて、ニュースで見たセキセイインコの大群がそろそろ見えるか、もう見えてくるかと楽しみにしたけど何にもいない。どうも様子が違う。村に入っても一羽もいない。空を埋め尽くしているってのはどこへ!?村人2名に尋ねてみた所、「あぁ、二週間くらい前だったかな、いなくなったよ」という衝撃の回答。しまった。事前に現地に確認の電話を入れるべきだった。。でも別の人は「ここから30kmくらい行った所で沢山飛んでいる」また別の人は「いないよ」「そこの川に夕方いっぱい来る」「来るのが遅いよ」と、みんな違う事を言うから事前に確認したところでどうだかって感じ。道ばたで繁殖してるっていう話だったのにどこへ行ってしまったのか。卵を背負って飛んで行ったとか?

運転中に、
O君「あ!いた!セキセイインコ!」
Chiemomoさん 「何羽くらい?」
O君「えーと5羽くらいでした」
Chiemomoさん 「桁が違うよ」
willie 「100羽以上を見てよ」
とりあえずその30km離れたポイントへ行って見るものの、あの大平原が展開するだけで何もない。続いて夕方インコが来る、と聞いた川に行ってみてめいめい探鳥しながら待つ事に。


イエローウォーター級のアカビタイムジオウムの群れがスタンバイ中。

「なんか変な人が来たよ」
「逃げよう」

芝生にはオグロバン。

木立にはコシアカヒバリモドキ。

河床にはベニオーストラリアヒタキ(幸運)。

茂みにはchiemomoさん。

愉快なセキセイインコと見てみない振りをするキンカチョウ。

「偉大なバークとウィルズがここで水を汲みました。皆さんもそれに習ってここで水を汲んでもいいですよ」という看板。以前どこかで書いたけど、オーストラリア中部から北部にかけては彼らの影響力は絶大で、バーク川、ウィルズ川、バーク&ウィルズモーテル、バーク&ウィルズロードハウス(地名)、バークタウン(地名)、バーク&ウィルズの墓、バーク&ウィルズの伝言の木、バーク&ウィルズのキャンプ地、水を汲んだ場所、銅像、記念碑などなどとても彼らの物語を無視しては通れないし話が噛み合なくなるでこの地域に行く人はこの本は読んでおいた方がいい↓


『恐るべき空白』オーストラリア開拓時代、内陸部へ向かった探検隊の悲劇を描いた名作ノンフィクション。学のあるオーストラリア人なら普通は読んだ事があり、話を振ればいくらでも語ってくれるだろう。どれほどこの話がオージーに愛されているかはヴィクトリア州北部からノーザンテリトリーにかけて残るバーク&ウィルズ(2人の主人公)の名を取った地名、店名の数が語っているだろう。原題は「Coopers Creek」。

結局セキセイインコは大した数は見られず、明日の朝にもう一度トライすることに。今日の野営地(野営地であっていわゆるキャンプ場、ではない)を探していたら凄い光景に。乾燥地帯に染み渡る局地的な雨。



みるみる壮絶な夕焼けに。この写真、リサイズ以外は何もしてないよ。

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