Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

15回目のマウントアイザ 後編

コマチスズメ
今回はガイド中につき初めて100-400mmズームにエクステンダーをつけて撮っているけど、ロクヨンを使い出した後だとなんともいえない平凡な性能に感じる。というかこれまでエクステンダーさえ持ってなくてサンニッパか100-400mmだけで十数年も鳥の写真撮ってきたんだよね?フリーの野鳥ガイドとしての十数年間は一般のバーダーの50年かかってフィールドにいる時間に匹敵する。どれだけいい写真を無駄にしてきたか…そういう意味ではロクヨンはランクルや家よりも先に買っておくべきものだった感がある。

地面に置かれている白い二つの物体は、剥がれてしまった靴底(お客様の)。マウントアイザの地面を歩き始めてまもなく靴底が剥離する、という経験を私はこれまでで4回目撃しておりいずれもスニーカーやハイキングシューズの類だ。地面が暑すぎで接着層が溶けるのだろうか?経験上マウントアイザのような内陸部岩石地帯を旅するにはブランドストーンみたいなワークブーツが適している。なぜ?と言われると、私がここの山谷で数百日使っても一度も壊れたことがないからだ。こういうのはもう実績で語るしかない。

なお、ブランドストーンはオーストラリアブランドであり今でも一部の製品は創業地タスマニア島で生産している。オーストラリア国内ではもっと安く買えるのでお土産にいいかもしれない。私はもっとマイナーなレッドバックというメーカーのが足の形に合うので10年くらい継続して履いている。

ランドクルーザーも本来の使われ方をして満足している(気がする)。このポイントでは数千羽のモリツバメが飛んでおり、それに誘われるようにセキセイインコやオカメインコ、モモイロインコが集まってきていた今回のメインポイントだった。セキセイはおよそ100羽いて、地面での採餌や木の上での休憩、モリツバメに混じっての飛翔など色々な姿を見られた。早朝に水場に飛んできておしまい、というジョージタウンなどにおける基本パターンよりは観察できる時間が長いので有意義。


マウントアイザのような内陸部には本来分布しないはずだけど、大体毎回少数を見かけるゴシキセイガイインコはカゴ抜けなのだろうか?


今回は三泊と余裕があったのでマウントアイザで二泊、シンプソン砂漠方面で一泊という日程にした。シンプソン方面では一旦通り過ぎたけど急に気になってUターンした道路から見えない池がオカメインコの楽園となっており


およそ200羽のオカメインコ達が一日中この池で過ごしているようだった。ムーダラ湖などは空っぽだったのにここは水鳥も一通りいた。


ボーリア村などは完全に沈黙しており、若干のアカビタイムジオウムがいたくらいで全日程ボーリアに依存していたらマジでやばかった。セスジムシクイ調査をしている関係で立ち入りができる広大な牧場地帯とシンプソン砂漠の二本立てにできるのは私の強みだ。

ボーリアではラクダレースが行われる関係で、その辺の原野にラクダがいるのを見かける。この壮大なキャンパスの中では移入種だなんだはあまり大したことではない。こんな感動的な光景を旅しながらお金をいただけるという点こそ野鳥ガイド業の醍醐味であり、巨大なプレッシャーや責任、長時間労働、何週間も帰宅不可能などの苦労をかき消してくれる。


まだ何年かはやるよ。でも商売としてはもっと効率がいいことは他にいくらでもあるね。


オーストラリアチゴハヤブサやチャイロハヤブサはあちこちで見かけた。あとオナガイヌワシの密度は流石だった。


私がどのくらいマウントアイザで過ごしていかがよくわかるのがこのマウントアイザのパブの会員証(本人以外の同行者も色々割引になる)。夜に出かける習慣を持たない私がこういったメンバーズカードを持っているのはアサートンでもケアンズでも全くなく、マウントアイザだけである。5年会員が切れたので更新しようと思ったけど5年後はもうマウントアイザに通っていない可能性もあることを考えて1年会員にしておいた。



シンプソン砂漠の村ボーリアのパブに飛び込んできた美しい甲虫。

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