Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

12回目のダーウィン・カカドゥ その3

タカブシギ
夕方。ダーウィンの友人その4が、一般の人は立ち入りできない浄水場内に連れて行ってくれるということでお願いする。これはすごいことで、立ち入りできるのはこの世で数人しかいない。あたりの水鳥の数はすごいもので、チドリ類、アジサシ類、カモ類、シギ類(写真はタカブシギ、ワキアカチドリ他)、オーストラリアチゴハヤブサ、キイロオーストラリアヒタキなど野鳥リストを一気に積み上げた。

浄水場が固く立ち入り禁止なのはウジャウジャいるワニのせいでもある。大半は子ワニであって、なんか塩化ビニール製のオモチャに見える。

そして最後にこれ!なんだこれ…!?若いクマドリバトだって!環境も何もかも、クマドリバトがいるような状況ではない。

ダーウィンのトップバーダー達はウマが合うのかメチャクチャ親切だな。お礼をいってカカドゥ国立公園方面へ転戦。今年は野生のオカメインコもいた。それよりも難しい相手が

このズグロサメインコだが、このポイントはかなり安定している。そして人間に慣れている。

オオニワシドリが建築物の床下にあずまやを作っていた。屋根の上に作ったのは一度見たことがあるが、床下にあるあずまやはこれが最初で最後だ。

近年、カカドゥ国立公園南部には一部の間に知られていたアカオオタカの営巣木があった。アカオオタカはオーストラリアで最も珍しい猛禽類だが、一度決めた営巣木には長年住み続ける。この営巣木も遠征を決めた時点からもちろんあてにしていたのだが何ヶ月前に当地を襲った嵐によりその営巣木が折れた。そしてそこから去ってしまったと聞いていた。

アカオオタカは大きなリクエストだったので、その旧営巣木付近を探すがもちろん四国の面積に匹敵する広大な国立公園に2羽だか3羽しかいないような鳥が短時間で見つかるわけがない。それに相手はほとんど上空に舞い上がることのない、林間の猛禽である。たまたま見かけることもほぼ起き得ない。つまり営巣木がダメになってしまったらアカオオタカはもう出会えない猛禽なのだ。

やっぱりダメだったかー…という沈んだ空気の中、ドライブを再開してわずかな時間が経過した時だった。時速100kmで運転していた私の目が異物を捉えた。

ブレーキを踏み、路肩を使ってUターンすると車内はざわついた。私の目線の先には。

(続く)

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