Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

12回目のダーウィン・カカドゥ その7(完)

ガイド最終日。お昼前のフライトで帰国する皆をお見送りした後に私がケアンズに戻ることができる適当なフライトがなかったのでダーウィンで一人でもう一泊して帰る必要があった。空いている午後は何しようかなぁと考えた時、半月ほど前から断続的に目撃されている珍鳥ハチクマ(オーストラリアでは珍鳥)に挑戦しようと思いついた。

その日の朝、全員揃っての最後の探鳥でキリアイとかをみていた時にふと横に現れたダーウィン在住の友人その5と雑談していた時に「午後はハチクマに挑戦しに行く」と言うと「じゃあ俺も行く」となった。彼自身もハチクマの話は気にはなっていたが車で1時間くらいかかることと、多くのバーダーがトライしているがあまり見つかっていないことがネックで伸び伸びになっていたそうだ。じゃあ二人で探せばいいしガソリンもシェアできる。

現地に着いた時にはもう午後の2時くらい。その場所は樹木が多すぎて猛禽類を待つには適さない、と二人は判断し高台へ続いているウォーキングコースに入ることにした。しばらく登って尾根に出たあたりで私は直感的に「出るとしたらココ」と感ずるものがありそこで待つことを提案。彼はそのまま進んで行くことになり別々に探すことになった。

まあ、延べ三日半探してもまだ見つけていない地元バーダーもいるくらいだ。そんな2−3時間の持ち時間で出会えるとはあまり思っていないさ。

45分くらい経っただろうか。その友人がが私のいる尾根に戻ってきて「いないな」と話をしていた時の事だった。遥か彼方ではあるが、明らかにオーストラリアの猛禽類の何にも該当しない猛禽類が現れた!!!
ハチクマ オーストラリア
幅の広い翼、縞のあるワイドな尾、小さな頭、シマシマの翼下面、ハチクマだ!!オーストラリア国内での720種目!それから30分ほどの間に同じエリアを3回ほど飛行してくれた。

わずか1-2時間足らずの挑戦で、何人ものバーダーが何度も空振りしているハチクマを簡単にゲットできた。アカオオタカも。ハチクマも。そして地元でもないのにダーウィン各地で出会う多くの友人達。そしてアカオオタカの巣の位置を尋ねる何十件ものメール。私は本当にオーストラリアで根を下ろし、全国に広く浸透したんだなぁとしみじみ感じた。オーストラリア人と結婚したわけでもない独身の日本人男性で私ほどオーストラリア化している人や、Facebookのコメント欄の過半数はオーストラリア人男性であるという日本人はいないと思う。12回目のダーウィンやカカドゥの訪問にして過去最高のそれだったと思う。

Exit mobile version