ヒガシキバラヒタキの巣は樹皮がめくれているところ。日本など人口が過密している土地では営巣の写真自体がイエローカードという国もあるみたいだけど、人口密度世界最低の国の一つオーストラリアではそうではない。あなたが望むなら、この国では1週間誰にも会わず、一台の車さえ見かけず旅を続けることもできる。しかも道路間際の木、高さ1mに営巣するようなタフな思考の個体は問題ないと考える。アメリカ人の野鳥写真ファンの大半が、昼間でもフラッシュをつけて撮影しているのが受け入れられているのもそうで、それは各国で長年に渡って当事者間で話し合いが続いた結果それに落ち着いたという文化だと思う。
さてタスマニアに行くことになった。ただ日本からタスマニアへの直行便は存在せず、通常はメルボルンを経由することになる。それならメルボルンの辺に四日ほど、タスマニアに四日ほどというスケジュールになった。メルボルンの方の比重が高めなのはオーストラリアで最も綺麗な小鳥ムラサキオーストラリアムシクイのリクエストがあったためで、彼らはメルボルン周辺にはおらず、ビクトリア州もかなり北西まで行かないといけない。言い換えれば「タスマニアとムラサキオーストラリアムシクイの旅」という感じの日程になった。
マミジロモリツバメはケアンズ(ジョージタウン)やマウントアイザの感覚では放浪種なので、ウジャウジャきていると嬉しくなるが、よく考えればビクトリア州北部は彼らの本拠地であっていつ来てもいる気がする。。。
ハイイロカッコウの幼鳥が仮親であるコバシミツスイから餌を受け取っている図、というかコバシミツスイが飲み込まれそうになっている図にも見える。
とある沼ではシラガトビが低空を飛びまくっていた。こんなに長時間近くでシラガトビを観察し続けたことは初めてかもしれない。
最近の雨で出来たような道路脇の水たまりで、いろいろな小鳥が水を飲みに降りてきていた。右のはチャガシラミツスイ、左のはミツスイ類でも希少性では上位に入ってくるフジビタイコバシミツスイだ。この鳥の額は灰色であり、藤色は微塵も存在しない。なぜこんな和名になったのかと言えば、英名のPurple-gaped Honeyeater(“紫の、口角の、ミツスイ”の意味)の誤訳だと思う。喉元の黄色い線の上に、非常に細く分かりづらい紫色の線がある。英名はこの事を言っているのだが、和名を制作する段階で何故か「紫の額」になってしまった。現物を一度でも見ればこんなことには。
ミナミメグロヤブコマのポイントで車を降りたらシロクロミツスイがあちこちで鳴いていた。本来アリススプリングスなど砂漠の小鳥だがやはり放浪性があり、ビクトリア州に入ってきたのだろう。
ミナミメグロヤブコマのポイントではメグロモズヒタキも毎回出会う。それから今回は
エアーズロックとかで見るシロビタイミツスイまで。あちらが長く続いている干ばつで鳥がいなくなった(現地の野鳥ガイドが二人廃業した)らしいが、みんなビクトリア州北西部やクィーンズランド州南西部に移ってしまったのか。まああんまりオタク的なガイドをすると日本人のバーダーからは評価が下がるのでほどほどに…
開放的なフィールドでウスズミモリツバメ。それから何百という謎の小鳥がいて慌てたが
このカオジロオーストラリアヒタキの幼鳥達だった。あんな大集団でいるとは。