Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ノーフォーク島旅行記12(完)

ノーフォーク島の朝

写真をやる人ならみんなこういう光線を探している。ノーフォークインコは別にして、今回最も嬉しかったショットの1つ。ここは島の北東部の私有地ながら、ウォーカーの通行を認めている。わざわざベンチまで崖の上に設置してあって、そこで持参したサンドイッチで極上の朝食を楽しんだ。コーヒーがあれば最高。今後涼しい場所への旅の際は魔法瓶を忘れないようにしよう。


ノーフォーク島の牛、そして行動をともにするクロウタドリの図。私が普段好むような内陸部の超僻地だと、人間など何週間ぶりに見たぞ、と野生化している牛が大挙して集まってきて私を包囲したりする。今ではそういう野次牛の扱いは慣れたが、最初は殺されると思った。(知人の牧場主によると、実際にボコボコにされる都会人がいるそうである)ノーフォーク島は平和である。


あと、ノーフォーク島ではこういう天然パーマの牛がたくさんいるのだけどこれなんだろう?ヒツジと牛を掛け合わせたような。


ノーフォーク島は南のニュージーランド、北のニューカレドニアと連なる海底山脈の一部、山の頂上部分が水面に出ているものだという。実際多くは火山性の岩で覆われている。
ノーフォークインコに関して最後にもう一度。もう40羽強しか生存していないかもしれないこの美しい生き物をよく見て欲しい。旅行記の初回でも解説したように、この鳥の生存と絶滅はオーストラリア政府が再びどれだけ保護予算を割けるかにかかっている。保護方法は確立しており、素晴らしい実績がある。そのプログラムを再稼働させるには少しでも多くの人がノーフォークインコを話題にし、見たいと思い、そして島へ足を運ぶことである。


「保護は極めて順調に進んでいたけれども、予算がつかなくなって再度急減し、それで絶滅しました」という世界初?の恥ずかしい例にしてはならない。内戦や飢饉などで動物保護がままない国ならまだ理解もされるが、オーストラリアのような経済の格付けが世界最高ランクのAAA、所得水準も世界最高水準、OECD世界幸福度ランキングで四年連続首位を続けているような平和で恵まれた国において許される事ではない。

人々はやや勘違いをしている。他の国々を見たまえ。オーストラリアはもう十分幸せじゃないか。その富とシアワセは野生動物にも分配されるべき物だと思う。

そうなるように、私は各保護団体を経済的にも労働力としても支援するし、これからもノイズを立て続ける。(完)

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