Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ダーウィン滞在15日間 その1(ムナグロヤイロチョウ)

マングローブ林2016年の8月、2件の野鳥案内が重なって私は15日ほどダーウィン一帯で過ごすことになった。もう正確にはわからなくなってきたが、10何回目のはず。ケアンズ以外では最もよく出かけるところでありイコール最も細かく知っている探鳥地とも言える。

ダーウィンというところは不思議な町で、毎回調べるたびにお得なホテルがまちまちである。その結果過去10数回の訪問において毎回異なるホテルを利用しており、町の規模からすれば多分大半のホテルに泊まったことがあると思う。

今回はダーウィンに到着して早々、轟音をあげて低空をしつこく飛び続ける戦闘機群に仰天した。間違えてシリアにでも来たかと思ったほど、それは22時頃まで続いた。窓ガラスが揺れ、建物も振動し、会話もできない酷い騒音だ。何を執拗に低空で延々と飛び回っているのかと思えば、軍港の対岸を99年間リースという契約を中国と結んでしまった準州政府や中国側をビビらせ、連邦政府とアメリカがペナルティを与えているのさと地元の人は話し合っていた。

さてマングローブ林は景色や造形としては美しいところで60点くらいをつけたい。ヌカカとヤブ蚊の楽園なので40点減点だ。


←リンゴ?を拾ったキミドリコウライウグイス。通常込み入った林、特に樹冠部の野鳥だけに似つかわしくない。



ダーウィンといえば固有種のヒスイインコは外せない。夕方水を飲みにやってきて…


そのまま葉っぱの上で眠る。このパターンはこの数年鉄壁を誇る。


むしろ別の固有種ズグロサメインコの方が捉えどころがない。


暑いこの地域の昼間はアカビタイムジオウムも生産的なことはやめて木陰で休憩時間。大事なのは夜明けごろ。


まあカカドゥ国立公園の夜明けは「大事」とかそんなレベルじゃない。この中に身を置くだけのためにここまで来る価値がある。日本野鳥の会の旅行で来た一行が、この夜明けを見て手を合わせていたと聞いたが。


確かに極楽浄土感が全開。ゴミも人間も人工音もまったくしない、ただそこには野鳥が鳴き交わしているだけであるというのはオーストラリアの必殺技。


アジアならそこに人間やゴミ、人工物がうじゃうじゃある。立ち上がって遠くを見渡しても、振り返ってもまったく自然しかないというのは先進国としては稀有な存在。それもこれも、人々が大都市にしがみついて生きていてくれるおかげだ。


レモンオリーブヒタキ。


世界中でバーダーが追いかけまくるヤイロチョウの仲間も、オーストラリアでは誰も探していないし撮ってもいない。ハイドも必要ないし、鳴き声を流す必要も餌をばら撒く必要もない。そこまでしたらペットの写真を撮ってるのとそう変わらないと思うが。オーストラリアでは数メートルの距離でヤイロチョウが貸し切りで自然に撮れるという事実。


オーストラリアチゴハヤブサ。


美脚を誇る?アカオクロオウムのメス。

8月のダーウィンは一年で一番、というか唯一過ごしやすい時期だ。(続く)

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