Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

セスジムシクイ調査ボランティア三週間 その21(カウボーイ)

クィーンズランド州の渓谷

ケアンズも近くなってきた。アウトバックには、全く紹介されたことのないような無名の絶景があちこちに転がっている。ここなどもケアンズの人であってもほとんど誰も知らないだろう。特にアジア系は食べることには情熱的だが、欧米人ほど自然に関心がない。


ケアンズ版グランドキャニオンだ。

フルサイズ+14mmレンズでここまで画面に入るが、私にはフルサイズのデジカメはなくてもいいな、という結論に最近達した。

誰もいません。

だーれもいません。


地平線までヒトは居ません。

「この渓谷は以前は私有地の一部だったけど結構景色がいいので国立公園にしました」とか。

誰かの敷地の一角だったとか、これだけの景観が全く無名だとか、その辺はオーストラリアの独壇場だ。





オーストラリア国内で例えればキングスキャニオンやブルーマウンテン系だが、観光バス溢れるそれらの場所よりも誰も視界に入らず、風と鳥の声しかしない此処の方が素敵に決まっている。


こんなところを飛んでいくハヤブサは気分がいいだろうね。


絵に描いたような侵食。

そして柵も何もないのが気持ち良い。危ないのは見ればわかるわけで、それでもなお接近してさらに転落する人のことなど知らん。


何かにソックリな雲が。

大佐「本国にラピュタ発見の報告はしたか?」

ムスカ「いえ、これからです」




この後で一生忘れられない事が起きた。オーストラリアに来て10数年、過去一度しか見た事がない規模でのカウボーイ一家による牛の大群移送だ。私はバードガイド業を辞めたらカウボーイになるとずっと言っている。そのきっかけになったのは、牛の大群を引き連れて橋のない川を途河するカウボーイ&ガールの姿に衝撃を受けたからだ。

そういうのって映画の中の話じゃないんですか。

いいえ。オーストラリアにはまだまだある。

私は比較的若いうちに結構な量の目標を叶えてしまった。趣味を仕事にしても食べていけること。人に雇われないこと。季節を追って世界各地で仕事をすること。自然科学や動物の役に立つこと。

あとはいつの日かカウボーイになって牛追いすること。








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