Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

クリスマス島探鳥記 1

クリスマス島ココス諸島の空港を飛び立ったヴァージンオーストラリア航空の中型機は順調にクリスマス島に着陸した。クリスマス島は石灰岩が隆起したような意外なほど山がちな島であり、高低差があるため海の眺めは素晴らしい。

ココス諸島を立つ前から「クリスマス島ではインターネットがダウンしているらしいぞ」とは聞いていたが、私はてっきりそれはwifiなどの話であって、ココス諸島と違ってオーストラリアの携帯電話網が使えるクリスマス島ではモバイルデータ通信で対応できると意に介していなかった。ところがそれはモバイルデータ通信も全滅という前例のないものであり、クリスマス島全域においてインターネットに接続できるのはクリスマス島インフォメーションセンターで売られているチケットを使ってのみであり、そのインフォメーションセンター自体が一日4-5時間しかあいていないという恐ろしいものだった。


つまりクリスマス島ではインターネット接続は消滅したというに近く、全く復旧の目処が立たないという。企業などはたまったものではないだろうな。今後当分は社員をインフォメーションセンターに派遣して、そこで1時間$10みたいなめちゃくちゃ暴利なインターネットで仕事をしてもらうとか?

営業時間が短いのはインフォメーションセンターに限ったことではなく、スーパーも1日4-5時間しかあいていない。ココス諸島のそれよりはずっと品揃えはいいが、相変わらずの物価高で、ランチやディナーに関してはむしろ外食で済ませた方がお得なくらいだ。これは昔行ったノーフォーク島でも同じことを思った(→ニュージーランド近くにあるオーストラリア領の島、ノーフォーク島旅行記


←食材が高いならオーストラリア野鳥ファンどうし集まってレストランへ行って楽しようの図。

眺めもいいし、アイスコーヒー$7,ランチ$25,ディナー$40程度ならケアンズと同じである。むしろケアンズより材料が高いはずのレストランが可哀想である。

オーダーを待っていたら何か知らない鳥の声がしているので覗きにいった。




うぉークリスマスミカドバトじゃん!!!クリスマス島の固有種、一種増えた!さらにレストランの階段裏をなにか中型の鳥が跳ねていった。あれも見たことがない野鳥である…。ヤバい、楽しい(笑)(あとでタイワンツグミと判明)


宿の前でオーストラリアチョウゲンボウが地面から蛇を捕まえて行った!、と思ったらバッタと草だった。


バッタが掴まっていた草ごとチョウゲンボウが握って行ったんだな。


断崖に移動して海鳥の観察。アカオネッタイチョウ。


世界で唯一クリスマス島だけで繁殖するシロハラグンカンドリのメス!!クリスマス島はグンカンドリの聖域で、オオグンカンドリ、コグンカンドリ、そして固有種シロハラグンカンドリという3種グンカンドリが舞う大空のすごさと言ったら。私は飛行場で航空機から外に出て空を見上げた瞬間に少し泣いていた。


これがシロハラグンカンドリのオス!!


さらに一種増える!シロハラアナツバメのクリスマス島固有亜種。チャコール1色でカッコ良いアナツバメである。少し前なら固有種だったのに。


まぁおなか側は普通のアナツバメという感じだな。
←今は亡きクリスマス島カジノリゾート跡地。ここはインドネシアの首都から飛行機でたった40分という立地に目をつけたオーストラリアが、カジノが禁じられていたインドネシアにおいて富裕層をすぐそばのクリスマス島に呼び込んだ素晴らしい着眼点のリゾートだった。オーストラリアも喜び、インドネシア人の富裕層も喜ぶ。ところがこのボロ儲けが面白くないインドネシア大統領がカジノを国内解禁、そしてその息子がカジノを取り仕切るようになって壊滅的な被害を受けて閉鎖された。今は巨大な廃墟である。

私も一応経営者だけど、普通にリゾートホテルとしてやり直せばいいと思う。トリップアドバイザーの調べでは「世界で最も旅行にお金を使うのはオーストラリア人!」という発表があった通り、国の隅々まで実に裕福で、なおかつ休暇もいくらでもあるオーストラリア自国民向けに普通の商売をすれば普通に儲かると思う。




そして!クリスマス島固有のメジロであるクリスマスメジロ。さらに一種増える。一日でこんなに数種類増えるなんてことは今後南極圏のオーストラリア領の島へ行くまではもう当分ないであろう。その日が楽しみだね。


クリスマス島固有亜種のクロミミコウモリ。もっと見つけずらい相手かと…


昼間でもグンカンドリに混じってガンガン空を飛んでいる。上昇気流に乗って旋回しているやつまでいて、こんなオオコウモリは他に見たことがない。

Exit mobile version