冠羽があり、オレンジの虹彩もあいまって独特の雰囲気があるカンムリモズヒタキ。灌木の影を歩き回り、クイナのように日向はダッシュで通過。見ていて面白い。
林ではノドジロオーストラリアマルハシに何度か出会った。クィーンズランド州西部の注目の鳥の中では最も普通に見られる一種のようだ。そしてスピニフェックスの原を歩き回ること1−2時間…
ズアカエミュームシクイの小群に会えた時は嬉しかったなぁ。尾を除いた胴体のサイズではオーストラリアで最小間違いなしと呼ばれるエミュームシクイ類のなかで、クィーンズランド州西部など辺境に分布する一種。
そのメス。
オスはズアカになっている。彼らのコンタクトコールは意外に音量があるので、後日車で走行中に気がついてUターンしたらいた、ということがあった。
カクレクマノミのようにスピニフェックスの棘に隠れて暮らしているので、いるのがわかっても写真に残すのは一瞬の勝負になる。ズアカエミュームシクイがスピニフェックスから飛び出して隣のスピニフェックスへ駆け込むのが早いか、人間+一眼レフが速いか。
しかしこの公衆トイレは群を抜いてオーストラリア最強の公衆トイレに認定する。なんだか一昨年ツアーをしたケニアを思い出した。
ガソリンの補給にこの数日悩まされ続けた。満タンで500kmしか走れない車ではオーストラリア内陸部では不自由。スタンドが100km-200km普通に存在しないので車には無補給で750km、できれば1000km走ってほしいといわれる。
夜、キャンプをしていると何だか月が変だなと思った。おととい満月だったのにもうあんなにかけている、と頭の奥で疑問に思いつつもそれが思考の前線に出てくることはなく原野にテーブルと椅子を広げて食事の用意をしていた。そうこうしているうちに友人達が相次いで皆既月食をFacebookで中継しだしたのでこれが特別なものであることを知った。というか思い出した。
一眼レフでも。
星座や月の向きが異なる南半球、皆既月食も日本とは違う角度で進行していく。
良い夜ではないか。
これを書いている今、仕事で冬の東京に滞在しているけど内陸半砂漠地帯の無限の広さと自由を思い出すと望郷にかられる。Bushというのは「藪」「潅木」といった意味が直訳だけど、オーストラリアでは「人がいない辺境」を指して使われることの方が多い。
大地は広く、人間は希少で風は今私だけを撫でている。