Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ウナドーンイワワラビーとプロサーパインイワワラビー

ケアンズ近郊にはマリーバイワワラビーという動物があるキャンプ場でペット化しており、昼夜を問わず観光客が押し寄せるケアンズの代表的な観光地とまでなっている。イワワラビー可愛いでしょう🎵で終わってしまうところがケアンズの観光業社や観光ガイドの絶望的なところであり、「イワワラビー類って他にも全国にいろんな種類があるんだね、全部見てみたい!よし次のホリデーと貯金を使って…」と全くならないところが情けない。動物に興味ないなら最初からたずさわるなよ。

私は若いうちからこういう耳の痛いことを先輩や経営者に正面から言うタイプだったのでどの会社でも力は認められつつも煙たがれ、ビザを取るのにも苦労し、やりたいツアーをするには独立してやらざるを得なかった。毎日同じような空港送迎を何年もしている同僚に対して「そんな誰でもできる仕事を誇らしげにやっていたらダメよ」なんていう社員がいたらまあウザイに違いない。まあ中年になった今ならわかるけど誰でもできる仕事を疑問に思わずに長年嬉々と継続してくれる大多数の人達のおかげで世界は回っており、私のようなタイプは100人に1人でも多すぎるくらいだ(かといってゼロでも新しいものは生まれてこないが)。時は流れ2000年代前半にそうしてケアンズで旅行業ガイドをやっていた200人以上の日本人でまだやっているのは最左翼だった私ほぼただ一人であり、その他大勢は清掃員、保育士、ウーバーの配達員(圧倒的多数)などになっている。そんな誰でもできる仕事をしてても未来はないよ、と言う点では私が正しかった。…。…。イワワラビーの話をしていたのだった。

ケアンズ近郊のマリーバイワワラビーの他にはタウンズビルからアンダラにかけてアライドイワワラビーがおり、その分布域のすぐ南にはウナドーンイワワラビーが分布している。↓過去記事アライドイワワラビー

タウンズビルとマグネティック島 後編

ウナドーンは未見だったので今回の旅行で探してみることにした。事前情報やネット画像ではマリーバイワワラビー同様に人慣れしており夕方には出てくるくらいの情報だったので楽勝の気分で現地にいってみたけど待てども待てども1匹もおらず、本当に夜になってようやく数匹がコソコソと出てきた。

こんなに難しいとは…危うく外すところだった。今回の旅のサブテーマは移動線上に分布している各種イワワラビーとの出会いであり、一部はもうみているけど、最も簡単と思われたウナドーンでこれでは残りは強敵ばかりだな。

そんなウナドーンですらあまりシャッターチャンスは与えてくれず、1−2枚撮影すると各個体は驚いて森へ逃走するのでこの辺が限度だった。

さらに夜は更け私は別のポイントへ移動し【イワワラビー界の異端児、最難関】とされるプロサーパインイワワラビーを探して急坂をなん度も登ったり降ったりした。なにしろ1980年ごろまで発見されなかったようなヤツだ。が、こちらは影も形もなく敗走。諦めきれない私はラストチャンスの翌朝早朝、もう一度林縁をチェックしているとウナドーンとはサイズも顔も異なるイワワラビーを1匹だけ発見。


目の下を走る白い線は上記ウナドーン2個体にはなく、場所や体格の違いからもプロサーパインイワワラビーと思われる。

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