Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

4度目のアリススプリングス探鳥 その2

ムラサキオーストラリアムシクイのメス

ムラサキオーストラリアムシクイのメス。
フェラーリに乗った日本人による4名死亡大事故があっても、無人の広大な土地はこの手のレース開催地としてこれほど都合の良い場所はない。ちょうど私たちがアリススプリングス入りしたこの日は、この砂漠大レースの最終日であり「狂った連中がいっぱい道路やレストランにいるから気を付けろ」と言われていた。

私は一番釘付けになったのは、色白で小太りで背が低くく、『狼的集団』と刺繍された揃いのスカジャンを着た中国人中年チームである。ダサいのも超越すると一種の感動を呼ぶ。狼的集団、見事なものだった。



足元からミフウズラ系が飛び出していった。降りたあたりを探すと再びロケットのように飛んで行ったが、マメミフウズラ(Little Button-Quail, Turnix velox)であることが確認できる程度には写った。ミフウズラ類というと日本の人はすぐサトウキビ畑というが、オーストラリアには8種類ものミフウズラ類がいて、日本の全国土がすっぽり入るくらいの面積でサトウキビ畑が広がっているが、私が知る限りサトウキビ畑でミフウズラ類が見られたことはないよ。

アリススプリングスのすぐ近くでも、ハシボソセスジムシクイ(Dusky Grasswren, Amytornis purnelli)が見られる。

「セスジムシクイ類を幾つ見ているかがオーストラリアにおける探鳥キャリアを物語る」とも言われたものだが、今ではオーストラリア全国の山間部に散っているセスジムシクイ類13種類だけを一気に全部見るツアーとかも毎年行われている。全てチャーター機での移動であり何百万円もするけど。それでも、海外の人が自力で試みるよりずっと現実的だ。セスジムシクイ類は僻地に分布しているだけであって、特に足が速いとか、茂みから絶対出てこないとかではない。セスジムシクイ類中最強とも呼ばれるムナジロセスジムシクイの長期調査員である私が保証する。キジインコ類、クサムラドリ類の方が桁違いに写真は難しい。


コマチスズメもいたが、これまでに何度も見ているので先に進む。

アリススプリングス周辺はトゲハシムシクイ類を中心とする小型ムシクイの楽園だ。皆少しづつ声が違う。ヒロオトゲハシムシクイ(Inland Thornbill, Acathiza apical)。



私は相性のいいノドアカアレチムシクイ(Redthroat, Ryrrholaemus brunneus)。一般的には難しいとされるが、あちこちで見ている。

(笑)トゲハシムシクイ類は時折フグのように見えることがある。コシアカトゲハシムシクイ(Chestnut-rumped Thornbill, Acathiza uropygialis)。


マミジロテリカッコウ。


急斜面を駆け下りるワキスジイワワラビー(Black-franked Rock-wallaby, Petrogale lateralis)。

トラップなどで捕獲されたものを含めないでも、オーストラリアで自然に観察した野生の哺乳類も総計100種類が見えてきた。

「あっこれはまだ言ってはダメだった!」

続く。

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