Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

全日空直行便が就航したパースへのツアー1

夏のパースへ通訳兼アシスタントガイドとしていくことになった。パースはこれまでも数えてみると長短合わせて6回も行っており、まだ見たことがない留鳥の野鳥はもう存在しない。しかし、時は夏。オーストラリアの夏は珍鳥の季節である。東南アジアで停止するはずだった渡り鳥がそのまま通り過ぎてオーストラリアまで入ってきてしまったりする。特に近年パース周辺は珍鳥が多く出現し、これまでメルボルンがそうだったように「夏の間はパースでホテル暮らししながら珍鳥出現に備える」と言う優雅なご老人方もいるとか。ちなみにケアンズにはその手の珍鳥はとても少なく、どこへ行くにも遠く、珍鳥稼ぎには損をする。

夏のパースに2週間近くいることになったので何か一つくらい珍鳥には当たるだろうと楽しみにしていたし、実際二件胸躍る案件があったのだけど、ツアー2週間ほど前にはぱったり途絶えてしまいそのまま当日を迎えることになってしまった。なんと言うことだ。ツアー本体よりも1日早く現地入りした私は、哺乳類にターゲットを変え、未見であるケムリリングテイルを探しに行ってみることにした。

ケアンズからおよそ5時間のフライトがパースに到着したのは23:30。忘れていたがパースとケアンズとでは2時間の時差があり、現地時刻は23:30であっても体は深夜01:30であると言っている。さすがにここから2時間以上運転してケムリリングテイルの最後の生息地の一つまでいくのは危険かもしれない、と車の後部座席で少し眠るつもりが2時間も寝てしまい、ケムリリングテイルの生息地に到着して探し始めたのは朝の4時過ぎになってしまった。今晩が唯一のチャンスなのにあんたもバッカだね…もう夜が開け始めてきてるじゃん…。

大体ケムリリングテイルの希少性がわかっているのか?白人の入植以降、生息数の95%が消えてしまった絶滅危急種(critically endangerd species)だよ!?絶滅危惧種じゃなくて、絶滅危急種だよ!?それを夜明けまでの残り30分で見つかるとでも?

ケムリリングテイル
おるし(°▽°)

私の本番への強さは驚異的だと最近自分でも思う。たまたまアカオオタカの営巣を見つけたりだとか。この力のお陰でガイドとして食べていける。ケムリリングテイルの獲得でオーストラリア産哺乳類リストは107種類に伸びた。

あとは移入種のクマネズミ(写真)だとか普通のポッサムとか(ここでは希少種)

ちょっと困った顔のクロカンガルーとかを見かけたよ。と言うか、もう夜が明けてますよおっさん。

「早くチェックインして寝ろよ」「今夜から仕事なんだろう?」その通りです、でも運転しないので平気です。未見の鳥や哺乳類を見るためなら睡眠は必ずしも必要ない。その後も未練がましく2週間前までヨーロッパトウネンが出ていた湿地とかチゴハヤブサが出ていた湿地とかを巡回するが、いないものは流石の私も見つけられない。

ホテルで一眠りし、夜にツアーが到着した。翌朝から現地ガイドとともにパース周辺の固有種を次々片付ける。ニシトゲハシムシクイ、ニシキリハシミツスイ、ニシキバラヒタキ、ギンホオミツスイ、ユーカリインコ…(といいながら撮っているのはサンショクヒタキ雌の西オーストラリア亜種)。

現地ガイドもパース近郊では初めて見た、と言うチャノドニジハバト。あっそのシロハラヒタキも固有種ですよ。しかし固有種が束になっても

ムラサキオーストラリアムシクイ雄のインパクトには全部持っていかれる。これでもエクリプス、60-70%のパワー。

なんですかこのお立ち台みたいなポイントは?

これが100%になったら…超キレイ。

AAK Nature Watchのパースツアー→https://aaknaturewatch.com/birdwatchingtour/tour18/

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