Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ヨーク半島アイアンレンジ国立公園2019 その1

ヨーク半島はオーストラリア最北端を構成する半島で氷河期時代にはパプアニューギニアと陸続きだった過去を持つ。そのためアジア系の生き物が生息したが、海面上昇による分断とその後のオーストラリア大陸の乾燥化で雨の多い一部の地域にのみそれらの生き物が生存を続けた。代表的なのがアイアンレンジ国立公園であり、もう一つは最北端近くのロカビリー森林地帯だ。
ケアンズ以北はもうまともな町が存在しないのでヨーク半島は10年ほど前までは秘境の雰囲気を保っていた。ただ年々道路工事が進み、今日では冒険的な雰囲気はかなり薄れてはいる。それでも何百キロ単位で立ちふさがる凸凹未舗装道路は一般的な車を破壊するには十分であり、ひとたびまとまった雨でも降ればどうなるかわかったものではない。ヨーク半島は依然として訪問者を選ぶ土地ではある。キビタイヒスイインコ2019
ケアンズからヨーク半島を北上すること半日、そこは絶滅危惧種キビタイヒスイインコの最後の生息地がある。かつては東西1000km以上の広範囲に分布したこの野鳥は、現在1−2箇所の私有地に残るだけとなった。

キビタイヒスイインコの陰にいつも隠れてしまうが、セグロモズガラスもこの辺りの固有種だ。蟻塚にとまっているところと

緑の中にいるところ。

オーストラリアにもハヤブサがいるが、日本にいるのとは別の亜種。あまり山も谷もなく、ビルもないオーストラリア北部ではハヤブサは見る機会はずっと少ない。それからドバトが少ないのも。

もう一つこのエリアの名物はこのコモンチョウ。この鳥も分布域がどんどん縮小して離れ離れになってきている。コモンチョウは日中藪に隠れているので「…ス」という囁き声を意識していないと簡単に通り過ぎかねない。

土のような保護色なので分かりにくいが、最終的に80羽ほどを見かけた。

アイアンレンジ国立公園には空路で行く手もあるが、キビタイヒスイインコ、アカオオタカ、セグロモズガラス、コモンチョウ、そしてシロハラアサヒスズメなどが出る可能性があるこの中間地点での探鳥も価値がある。それらを一回のトライで見られる自信がなければ、往復車で行ったほうがいい。(続く)

AAK Nature Watchのアイアンレンジ6泊7日ツアー詳細

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