Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

ビクトリア州北西部とタスマニア2019 その2

オーストラリア南部の気候よりによって砂丘のそばの丸太小屋である宿にて猛烈な強風に見舞われていたわけだけど、オーストラリア南部の気候の気まぐれさはこれまでの体験から身に染みている。結論は「天気予報がなんと言っていようと、一切信じずTシャツ一枚で過ごすところからダウンジャケット、手袋、ニット帽まで必要」だと思っている。

例えば左のスクリーンショットは滞在当時の週間予報だが、朝の最低気温5度にこの台風のような強風が加われば体感的にはマイナス5度くらいになる。そこから二日後には33度に急上昇する。メルボルン、タスマニア、アデレードなどオーストラリア南部では翌日になれば気温が20度上がったり逆に1時間で10度急降下したりするから、0度から40度近くまで対応できるように旅の準備をしなければいけない。

夏は40度を超える日が何日も続く熱波もよく来る。私がそのことについて愚痴を言うと、メルボルン永住の人に「あら、そんな日は家から出なければいいだけよ?」と笑って言われたことがあるが、それができるのはリタイヤ層だけだろ…。野鳥ガイドは熱波が来ようと大嵐だろうと一転5度まで下がろうと、重い荷物を持って一日中野外を歩いている職種である。オーストラリア北部では内陸部を除いて一年中、一日中似たような気温が続くので何も難しいことはない。


ハナガサインコはいっぱいいて、車で走っているともうあっちこっちで蹴散らして進む感じ。ただし「じゃあ撮ってみよう」となると何故かめちゃくちゃ逃げるので私のような300mm手持ちでテレコンもない人間には難しかった。

3種類のカンガルーが入り混じるこの地域だが、これはオオカンガルーのようだ。昔このエリアにクルマサカオウムを探しに仲間と旅に来た際、延々とつづく柔らかい砂地の道で借りていたRav4が埋まったことがあったが、今回のヒュンダイSUVも埋まった。そんな時はデフロックスイッチを…と思ったら、ない(笑)これはダメかもわからんね、と思いかけたが横滑り防止機能を解除することで脱出に成功。

リクエスト筆頭のムラサキオーストラリアムシクイを探して辺境の無名な保護区に来たのだけど、ムラサキオーストラリアムシクイが警戒心が強くなかなか近くで見られないうちにボーナスでアカビタイサンショクヒタキがでた。素晴らしい鳥だ!この保護区では雨に悩まされ、ムラサキオーストラリアムシクイはちらほらいるものの場所を変えてみることにした。昔来たときに見たただの空き地のようなポイントにある朽ちかけたピクニックテーブルでみんなで持参のサンドイッチを食べていると

でた!

特にオーストラリアでは古い情報に依存してはダメだが、経験はいくらあってもいい。一つ目の目的達成。まあ、この鳥はパースの方が見やすい気はするがタスマニアと絡めるならメルボルンだよね。

このエリアにもモリツバメ類をはじめとして内陸放浪性の野鳥が集まっているようだった。特筆すべきはハジロシロクロミツスイ!アリススプリングスにて現地ガイドに見せてもらって以来。

ここのコシアカトゲハシムシクイの寄りは凄かった。たくさんいるし、寄ってくるし捕まえれそうなくらい。

地平線まで広がる麦畑をパトロールするウスユキチュウヒ。気持ちよさそう!

クルマサカオウムは昔仲間達と探しに来た時より難しくなっているのは間違いなかった。メルボルンのガイド曰く「もはやビクトリア州ではかなり希少種」とされる彼らだが、私たちの宿の側に毎朝現れ、最終的には営巣木にたどり着いた。左上の、木の洞がクルマサカオウムの巣。ただ結構警戒心があったのでこれ以上近寄らず。

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