Site icon 【公式】オーストラリア唯一の日本語専門バードウォッチングガイド 太田祐(AAK Nature Watch)

パース探鳥記2017 その2

Twitchingそして足掛け1ヶ月半、珍鳥チゴハヤブサを追ってこの草原に来ること延四日目。

昨日それっぽいのを写すことができたが、正確には「写ってた」というべきであり懲りもせず何度でもホテルに泊まってやって来るわけです。珍鳥を見るためなら、独身の身にはお金など惜しくはない。

昼寝には最高の気候と柔らかい草原ながら、丸一日チゴハヤブサが飛び出さないか見張ってなさいというのも飽きるので日中は別のところへ。




オーストラリアではパース周辺にしかいない帰化種ワライバト。


以前にも撮っているので飛びものばかり狙っていた。


ベニバトのような、可愛らしいハト。


ついでに固有種のヒメテンジクバタン。パースはオウムが複雑なところで、白系ならこのヒメテンジクバタンとアカビタイムジオウムとテンジクバタンが、黒系ならオジロクロオウムとニシオジロクロオウムが混在しており双眼鏡程度では判別できないことも多い。今日もパース在住のバードウォッチャーが「パースにはテンジクバタンはいないよ!」と書いていたが、いるんだよ。人為的に。ケアンズにだっているじゃない。


今日は当初から予定していた通り、オーストラリアではパースだけで帰化種として野鳥として認定されているコブハクチョウを探しに来た。はっきり言ってロクでもない土地に古くから住んでいる個体群だけど、工事の影響でさも大自然の中のような、奇跡的に良い場所で泳いでいるのを撮ることができた。

ちょっと補足すると、ここのコブハクチョウは定期的に外部から個体を持ってきて近親交配などのリスクを下げつつ継続してきた。最近このコブハクチョウを詳しく調べた人がいてその結論だけ書いておくと「今後ここのコブハクチョウを野鳥として扱い続けることに大きな疑問がある」との発表があり業界の反応は肯定的である。もうすでに見てしまっている人はいいが、これから見に行ってみようという人は残念ながら家禽扱いで一種増えないかも。


はい、用事を終えたのでまた草原に戻ってきましたよ。トンボを食べまくるオーストラリアチゴハヤブサ。


時折ツバメの群も参戦。結局チゴハヤブサは出なかった。明日からはパースで私的なガイドなので一旦終了。というかもう永久に終了でいいよ…。


さぁ仕事だ。パースで豊富な水鳥などを一通り見た後は固有種のギンホオミツスイを探しにきた。この鳥も、私が昔見たときはハイガシラミツスイの1亜種に過ぎなかった。それが近年独立種になってしまったわけで、ギンホオミツスイとして撮るのは初めてだ。


「結構難しい」とされるこの一種。しかし、もう二週間近く誰も見ていない1羽しかいない珍鳥チゴハヤブサをみようとすることに比べればなんということはない。野鳥ガイドの「ターゲットを引きずり出す力」は週末バーダーやリタイヤ後バーダーの比ではないから任せちゃった方が早く、実はずっと安く済む。二倍三倍の時間を投じても構わない場合はそれでいいけど。


再びニシキバラモズヒタキのメス。これは独立種になって日が浅く、意外とオーストラリアのバーダーでもそのことを知らない人もいる。知り合いのパースのバーダーも知らなかったもの(彼は地元の探鳥会のリーダーだが)。


分類の変更の影響が大きいのがパース。なぜなら東西南北を圧倒的な無人地帯に囲まれ、大半の野鳥がそもそも他の地域と交流がない固有亜種だった地域だからだ。ホノルルと並んで孤立した大都市、とされるのがパース(笑)。きわめつけはこいつだ、ニシハチマキミツスイ。この鳥は古くはWestern white-naped Honeyeaterだったがその後Swan River honeyeaterに変わり、まだそれが普及もしていないうちにまたGilbert’s honeyeaterに変わったという。私はSwan River honeyeaterとしてのニシハチマキミツスイを見ないまま(だって多分一年くらいだけの名前だった)Gilbert’s honeyeaterを見たことになる。ウォー気持ち悪い。Swan River honeyeaterを見せろ!!


パース周辺の固有種シロハラヒタキ。目鼻立ちが素敵な鳥です。


お笑い系のメジロキバネミツスイと並ぶとメジロキバネ可哀想。


駆け寄って来るムラサキオーストリアムシクイのメス達。

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