建物の背後にずらりと並んでいるのがノーフォークマツで、オーストラリア国旗と並んではためいている緑色のノーフォーク国旗(領旗)にも大きく描かれている。Tシャツ、切手、ロゴなどこの島ではノーフォークマツ一色でまさにシンボルになっている。母が昔から木製品を偏愛しているので何か土産でもとWild-woodという木関連の店に寄ったが、「毎週日曜、月曜、火曜休み」というオーストラリア流に直撃され敗退。レストランも週3−4日しか営業していない所が多い。オーストラリア人のプライベート重視は太平洋の孤島にきてより強固鉄壁な物になっていた。
オーストラリア本土では一般道の制限速度が100km-120kmありオーストラリア人の体重も日本の3割増しなので軽トラは力不足も甚だしく全く使われていないが、ノーフォーク島のように時速40km以上出せる所などほぼ無いような島では大活躍だ。
夕方4時に到着しチェックインをすませたりしていると秋の陽はもうわずか。急いで手近な所を廻る。ノーフォーク島の風景のベースはニュージーランド。オーストラリアでいえばタスマニアあたりが似ている。ケアンズ周辺の黒い熱帯雨林とは異なる明緑と、南太平洋の孤島ならではの澄んだ青空。汚染源が周囲にない。あと360度大海原の孤島にしては風が大して吹かないのも意外で助かった。
明日は日曜でいろいろ休みだというので食材を島のスーパーFoodlandで調達。離島につき物価はオーストラリア基準から見ても非常に高い。日本基準で見ると絶叫するかもしれないのでスーツケースの隙間にインスタント麺やスープなど詰めてくるべきだった。ただ島のカフェなどの値段は本土と変わらないので相対的に外食が安く見え、朝夕は自炊、昼は外食という併用スタイルになった。
ノーフォーク島には移入種がはびこっている。クロウタドリ幼鳥。ホシムクドリやアカクサインコ、イエスズメなどはおびただしい数だった。特にアカクサインコとの競合がノーフォークインコを絶滅寸前に追いやっている大きな原因とされている。
ヒメクロアジサシがあちこちで営巣していた。私はケアンズ人なのでグレートバリアリーフの砂州で白砂に直で抱卵している姿ばかり見ているので、アジサシが樹上にいるのは新鮮。これもノーフォークマツ。
シロアジサシは島内至る所を飛んでおり誰でも見つけられる。これもノーフォークマツの上に。
島の木はほとんどノーフォークマツでは…という優占状況ながらこの木はパラパラ見かけた。メリア・アゼダラクの仲間っぽいがいい地元資料がなく今の所不明。
秋の日は短い。とても短い。日没が近いのだから夕陽狙いで西海岸側にきた。断崖。その下をチョロチョロする釣り人達。ノーフォーク島は全周断崖で港はない。
断崖ではアカオネッタイチョウ幼鳥が親の帰りを待っていた。
全く嫌がったり警戒するようなそぶりも無く、90mmマクロレンズでも撮れる。が、頑張り過ぎると断崖から転落する。
南太平洋の夕陽。明日は夜明けから山に入ってノーフォークインコを探す。